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山村美紗 赤い霊柩車20 血の鎮魂歌 [2Hドラマ]

山村美紗 赤い霊柩車20 血の鎮魂歌


自分にしては珍しく真犯人を推理してみたのですが、見事に外れました。犯人は、あの秘書さんだと睨んでいたんです。むろん、あの秘書さんこそが、あの写真の置屋の前で抱っこされていた赤ちゃんであり、つまりは母親殺しであると思っていました。


その動機は、母親の責任ではなく置屋の女将が勝手に施設に預けてしまったわけなのですが、つまり、自分は捨てられたと思っていて、その復讐としてというわけです。そして、やがて遺言が見つかり、そこには血の繋がりのないあの兄弟には財産分与は一切なく、全財産は秘書さんのひとりのものになる、というものでした。


そんな風に考えていましたw



最後の真相を明かすシーンで、先週観たやつと同じように、みなさんが場所を移動しているのですが、あれはやはりありえないので、まあ、ありえないという意味では面白いので、いいんですけれど、はじめはたしかみなさん、足元には板があるところで、座っている人も何人かいて、そこに狩矢警部が登場し、残念ながらこの中に犯人がいますと切り出したのですが、次はシーンが変わってしまい、飛び石のある門のところにみなさん移動しています。



真相を明かす非常にシリアスな場面で、移動しながら若しくは、場所をかえて説明するなどということはあまりないので、まあ、少し歩きましょうか? みたいなことはあるかもしれないのですが、あれだけの大人数ですので、よくわからない場所移動だなと思って見ていました。最後に実の父親と再会する際にはまたシーンがかわり、背景は蓮池なのですが、足元が芝生のようなところにかわっていました。なぜまたこのようにシーンを変えるのか、謎です。

真相を明かすというシーンで、話自体はむろん繋がっているのですが、まるでテレポーテーションしたかのように場所移動しているという不思議。


もしかしたならリアルよりも、マンネリズムを回避する方をとったということなのでしょうか。


もちろん、リアルなんてことをいいだしたら、このお話自体が土台から崩れてしまいます。春彦さんは、京都に入り浸っているように思えますが、ほんとうに仕事を何かしているのだろうか、であるとか、なぜ春彦さんが京都にいる時に限って殺人事件が起こるのだろうか、であるとか、なぜ明子さんの周りでは頻繁に殺人事件が起こるのだろうか、であるとか、まあ家業が葬儀屋なので、身の回りで殺人の起こる度ごとに仕事が発生して好都合ということがあるのかもしれませんが、とにかく毎週のようにして明子さんの周囲で殺人事件が起こるのですから、大変といえば大変ですが、食いっぱぐれもないわけで、まあ、リアル云々なんて固いこと言わずみんなでワイワイ楽しくやりながら殺人事件を解決しようぜというドラマなのですから、それでいいんですよね。


で、今回は実はほんとうの母親だったというオチだったのですが、親殺しというとりかえしのつかない事にすることにより、ドラマ性を高めていたようでした。そのため、ダイイングメッセージやら手の込んだトリック等はなく、崖から突き落とすであるとか、台布巾で、口を覆い窒息死させるという、かなりオーソドックスな手口でした。


なのですが、犯人はひとつやり損なったことがあり、関東風な醤油での味付けでありながらも、中身の具材は関西風だったというちぐはぐさで、敢えて捜査の目をくらますために、犯人は関東の出身者であるかのように偽装したということが逆にわかってしまいましたが、とどのつまり、犯行は突発的なものではなく、練りに練った計画的犯行であったことがわかります。


その加津子さんはレストランのウエイトレスをしている時に声を掛けられた、みたいな事を言っていましたが、長男と結婚してからも、なぜまたずっと実の我が子であることをひた隠しに隠してきたのでしょう。隠しておかなければならない理由を聞いてみたかったですが、経営手腕があるという次男夫婦に老舗の呉服屋は任せ、買収した旦那さんであるイズミさんが手放したホテルを、家族水入らずでやっていくつもりだったのかもしれません。


そして、その時は晴れて父親と母親であることを告げるつもりだったのだと思うと、やはり憐れを誘いますね。


ラストに。


純愛というキーワードから、また明子さんは、「春彦さん、私のこと愛してる?」という流れになり、「もちろんだよ、わかるだろ?」「じゃ、今すぐ結婚する?」といういつものパターンに入っていくのですが、またまた明子さんは、はぐらかされてしまいます。


いったい、ふたりはいつ結婚するのでしょうか? あるいは、このシリーズが続く限りこのパターンを踏襲する運命にあるわけですので、「ああまたか」という視聴者の笑いを取るために、もしくは「お約束」のために、明子さんと春彦さんは、付かず離れず永遠に結婚はできないのでしょう。


別にこれは春彦さんが、非常に優柔不断であり、普段は東京で働き、たまに事件がある頃ふらりと京都妻のところにやってくるという、都合のいい男などではなく、ひとえにこのドラマのためにふたりは結婚しないでいるのだと思います。


でないと、あのラストの「じゃ、結婚する? 」のくだりが出来なくなってしまいますから。



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山村美紗 赤い霊柩車22 代理妻殺人事件 [2Hドラマ]

山村美紗 赤い霊柩車22 代理妻殺人事件


☆キャスト

石原明子:片平なぎさ

黒沢春彦:神田正輝

狩矢警部:若林豪

秋山隆男:大村崑

内田良恵:山村紅葉

荒木和美:小沢真珠

川島純司:林泰文

岡田総一郎:中島久之

岡田千枝:岡まゆみ

岡田洋一:長島暉実

橋口刑事:松永博史

杉三千彦:西川忠志

ほか




意外な人物が真犯人でしたが、あまりにも極悪人として描かれているので、爆笑してしまいました。


結局、犯人なんて誰でもいいわけなんですよね。ただ、ああやっぱりなと思われるような人物でなければ、誰でもいい。


とにかく誰かを設定して、その動機を付与していけばいいだけなので、出来上がった犯人像というのは、ほんとうの悪魔でさえも真っ青な極悪非道の輩となってしまいます。


たぶん、血が通ってないんじゃないかなと思われるほどの非情さで、それはただ面白ければなんでもいい、どうせ架空のお話なんだから、というわけなのでしょうが、しかし、現実にもこういった殺人があるんでしょうから、怖ろしいですね。


杉三千彦という自然染色をしている車椅子の男性が、実は真犯人でもよかったですよね? 車椅子だから犯行は無理だろうという大方の予想を裏切る犯人像。


あるいは、産婦人科の殺されてしまった、看護師さん。川島医師とデキているのに、杉とも男女の仲になっていて、その痴情のもつれで、殺されてしまうのですが、実は、岡田のご主人と奥さんを殺した真犯人なのです。むろん、お金目的で、岡田夫妻を強請っていて、犯行当日も金を受け取りに来て、口論となり、ついかっとなって突き落としてしまった。


奥さんに最初は接触し、ユスリをかけていたのですが、埒があかないし、常に人を見下しているようなところが最初から気に食わなかったから、いっそ殺してしまえと思い、心臓が悪いことを聞いていたので、スズランの鉢植えを買っていって、奥さんがスズランの花に見とれているすきに、注射器で空気を打った。


さらには、あの産婦人科の医師は、自分こそが、洋一くんの父親なのだと言い張るのですが、それも実は怪しいものであり、たしかにA型×A型では、B型はありえないのですが、A型×B型だけが、子がB型となるわけではなく、A型×AB型でも子がB型となりますので、タネはそのAB型の血液型の持ち主かもしれないのです。


あるいは、すべての犯行は、実は幼い洋一くんだったりしたら、驚愕のミステリになり、このミスに選ばれたりするかもしれませんね。


そのケースでいくとしたら、もちろん洋一くん本人は手を下さないのですが、洋一くん実は脳だけは凄まじい勢いで発達する突然変異とも思われる子で、テレパスであって人を自分の言いなりにしてしまう能力がある子どもなのでした。


すいません。だいぶ脱線してしまいましたが、そんなこんなで犯人なんて誰にでもいいし、罪を誰にでも被せてしまうことができるわけで、殊に誰も予想しえないような蚊帳の外の人物を犯人に設定するとなると、とても人間とは思えない残虐非道な化け物と化してしまいます。


それは、意外な犯人でなければ面白くないという発想から生まれてきていると思うのですけれど、今回は結構派手に三体も死体が転がったわけですが、普通に考えると一人殺すも二人殺すも同じことという心理が働くとは到底考えられないのですが、既に殺人という事自体、非日常ですのでそんな心理も働くのでしょうか。


あと、違和感を感じたところなんですが、あの吊り橋での杉三千彦、荒木和美そして、真犯人である産婦人科医の川島のやりとりなんですが、川幅の結構ある吊り橋の中央で、川島は杉を川へと突き落とそうとしているシーンで、川岸の傍らでその一部始終を見ていた春彦さんと明子さんが、揉み合っている三人に駆け寄って、まあまあとなるんですが、その後なぜかシーンが変わってしまい、吊り橋ではないところで話し合いが行われていました。


たしかに、吊り橋の真ん中で話し合いするのも、落ち着かないですし、危ないといえば危ないので、場所を変えての真相解明は賢明だと思いますが、春彦さんの、「ここはではちょっとなんだから、場所を変えましょう」みたいな一言がほしかったと思います。

いきなりのシーン転換は、やはりおかしいと僕は感じました。


今回は、まず荒木和美に殺人の疑いをもたせ、ついでコチニール色素で自然染色をやっている杉三千彦に疑惑の目を向けさせ、さらには岡田夫妻との契約によって代理母を務めた荒木和美こそが洋一くんの実母であるという洋一くんの出生の謎も提示されて、謎が謎を呼ぶ展開になっていくのですけれども、さらにもうひとつ洋一くんの血液型により、男親が誰なのかわからないというミステリアスな内容でした。


ですので、そのミステリアスな内容にするツケをひとりで担っている産婦人科医川島は、邪魔なやつは誰でも殺して排除するという、どうしようもない凶悪犯というパーソナリティと成り果てていましたので、僕はあの真相解明のシーンでの、川島の一片の反省もないばかりか、明子さんたちに向かって「おまえらさえ、いなければうまくいったのに」みたいな恨みごとを吐く場面で、その豹変ぶりに爆笑してしまったのでした。


ですから、真犯人は確かに川島なのでしょうが、TVドラマの為に、こんな酷い人格形成をされた川島も、ある意味被害者であると思うのです。笑




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誘拐法廷〜セブンデイズ〜 ネタバレ 感想 [2Hドラマ]

誘拐法廷〜セブンデイズ〜



☆キャスト

松嶋菜々子(天吹芽依子)

丸山隆平(国選弁護人 宇津井秀樹)

杉本哲太(芽依子と別居中の刑事)

飯豊まりえ(芽依子の事務所の弁護士)

柄本時生(国光瑛二)

柾木玲弥(ヤク中の冨樫の息子 赤池)

八嶋智人(検事 一ノ瀬誠)

でんでん(法律事務所事務長)

伊武雅刀(検事あがりの代議士 富樫)

風吹ジュン(殺された被害者の母親)


なかなか見応えがありました。



芽依子は、被害者の母親と同じ痛み苦しみを、期せずして同じように味わわされることになりますが、それはなぜなのかが、引っかかりました。


国光を最後に処刑する廃倉庫の二階に送られてきたFAXで、被害者の母親の「犯行動機」が明かされるのですが、確かに憎んでも憎み切れない犯人をいちばん苦しむという火あぶりの刑に処すというのは、なるほどそんなものだろうなと頷ける理由でした。


普通に考えてみると敏腕弁護士で母親でもあるという理由から、天吹芽依子に弁護を頼むわけにもいかないということなのですね。はなから、無期懲役では刑が軽すぎるし、この手で犯人を葬り去りたいと考えていたわけですから、処刑を済ませたら自首するつもりであったわけなのでしょう。



まさかの意外な犯人。しかし、TVを観ている私たち視聴者は、被害者の母親(風吹ジュン)の、「お前に無期懲役はもったいない。だから無罪にして出してやった。火あぶりが最も苦痛らしい」というFAXで送られてきた犯行動機の文面を読めましたから、わかりましたが、芽依子は、そんなことは知らないわけです。


最後の美術室みたいなところで、まいちゃんの誘拐犯は、実は殺害された娘の母親であったとわかったわけですが、芽依子の

「もし弁護が必要なら、私に言ってください」という発言の流れには普通ならばならないと思いますが、娘を想う母親の気持ちが痛いほどわかるからこその発言であったとみるべきなのでしょうか。


この七日間というもの芽依子は生きた心地はしなかったと思うので、私の娘は遠くに旅立ってしまったけれど、あなたのまいちゃんは無事帰って来たんだからいいじゃないの? みたいなことをたとえ言われたとしても、素直には、はい、その通りですとはならないと思いますが、どうなんでしょう?


つまり、殺された被害者の母親がまいちゃんの卑劣な誘拐犯であったとわかっても、その犯行動機が芽依子にはまだわからないわけです。


同じ母親であるからこそ、自分の痛みがわかってくれるだろうという理由から、天吹芽依子を弁護人として選定したのだとしても、判決が下るセブンデイズが過ぎたあとでないと、つまり、まいちゃんが解放された後でないと、その複雑な誘拐犯の犯行動機は芽依子にはわからないのです。 


つまり、そうなるとはじめから処刑が済んだ後には自首するつもりであった

まいちゃんの誘拐犯でもある被害者の母親は、天吹芽依子のあの言葉を待っていたのではないのかと、勘ぐってしまいます。


「もし弁護が必要なら、私に言ってください」


芽依子の母親として憐憫の情を禁じえずに、ほとばしり出てきたこの言葉こそを、被害者の母親は、はじめから狙っていたのかもしれません。


そうだとすると、本当に用意周到な頭の切れる女性だと思います。



また、芽依子は、判決後に真犯人から真相を耳打ちされましたから、国光の犯行であったことを知り得ている、唯一の存在であるはずですが、被害者の母親は、国光以外に真犯人を想定していないのは、ちょっと不可思議でした。


なぜ、殺人を犯したのが国光であると断定できたのか?

もし、真犯人が赤池ならば、まったく無実の人間を焼き殺すことになるのですから、事は重大です。


凶器であるパレットナイフという、物的証拠は出てきましたので、そこからの指紋検出で国光が犯人であると特定出来るかもしれないのですが、まだ指紋の採取を行ってもいないのですから、殺害者は国光であると断定できるはずもないのです。


ただ、被害者の母親は、娘がドラッグに溺れていたことも知らず、また、ドラッグを彼女がやるようになった原因であるはずの彼氏の存在も知らなかったようですので、もう真犯人は「国光」一択しかなかったわけであり、その判断は、ちょっと危ないかなと思います。


結局は、国光が真犯人であるわけですから、結果オーライなのですが、決めつけるというのはマズイと思います。が、しかし、これもまた母親の第六感がそう告げていたのかもしれませんね。


芽依子が入院している赤池に会いに行った際の、赤池の狂乱ぶりには驚かされましたが、しかし、なぜまたあんなマネをしてまで、メッセージをわざわざ芽依子のバッグに忍び込ませたのでしょう? ナゾでした。父親である冨樫に口封じされていたからとも考えられますが、あんなマネをするより口頭で告げる方がよっぽど楽ですし、告げない理由がわかりません。笑


関ジャニの彼も、わざわざ髭を生やしたようですが、なかなかよかったですねw

完璧に芽依子を裏切って、重要な証拠品である赤池の血液の付着したメッセージを盗み出し、赤池の父親である代議士冨樫を強請るという、大したタマだと思いましたが、彼の本意はそうではなかったのですね。



風吹ジュンさんは、年齢を重ねられた落ちついた静かな演技が素敵でした。


松嶋菜々子さん、綺麗でした! 


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山村美紗 赤い霊柩車21 灰色の容疑者 ネタバレ感想 [2Hドラマ]


山村美紗 赤い霊柩車21 灰色の容疑者


なんか今回は、パッとしないお話でした。「251312425281」というダイイングメッセージがあったくらいで、地味な内容でした。


ただ、ちょっと冷静に考えてみると、わざわざ12桁の数字を打つよりも、平仮名で打った方が早かったのではないのかと思ったのですが、明子さんと春彦さんのいうように、ポケベル打ちだと2タッチ入力ということで、仮名打ちよりも早いということがわかりました。


25→こ

13→う

12→い

42→ち

52→に

81→や


ポケベルを持ったことがないので、まったくわかりませんでしたが、この女性は、灰皿で殴られて一度気を失ったのちに、また起き上がるかしてケータイを見つけ、何十年前だかのポケベル打ちの要領で、数字を打ち込んでから息途絶えという、鈍器で殴られての即死ではなかったということのようですから、もしかしたなら、こういちさんという浮気性の医者が殺害したのではないのかもしれません。


つまり、彼が確かに灰皿で後頭部あたりを殴り、女社長は昏倒してしまったのですが、まだその時は死んではいなかったのは確かなようです。


彼女は、ダイイングメッセージをそれから打ったからですが、となるともしかしたら、こういちさんの一撃は、致命的ではなかったのかもしれず、その後に第三者がやってきて、再度後頭部あたりを同じ鈍器で殴ってから、あらかじめ調べておいたポケベル打ちの数字を表示させたケータイを握らせたというのは、どうでしょう?


この場合、こういちさんは確かに灰皿で殴っていますから、自分が殺したと思い込んでいますが、彼が部屋から出てから、誰かが忍び込んで殺したという可能性もあります。


また、ポケベル打ちですが、明子さんと春彦さんがやったように紙に書き出してみないと数字の意味がわからないのではと思いますので、ポケベル打ち用の数字の組み合わせを死ぬ間際に朦朧とした頭で思い出して必死に打ち込んだ、その粘り強さは見習いたいですね。


真犯人もそれほど想定外の人物ではありませんでしたが、ただ えりさんの母親という人が男を作って家から出てしまい、その後父親が亡くなってから遺産目当てに、男と共にまた家に帰ってきた、というように世間からは見られていたようですが、事実はだいぶ異なり、母親は病的に嫉妬深い夫から家から追い出されたということでした。


しかし、そういった構図はわかりましたが、実際問題、いくらおまえ、出ていけ! と言われたとしても、子どものことが心配でしょうし、10年も会わずにいるなどということは普通の親子の間ではありえないと思います。


もし、ほんとうに10年も会わずにいるというのは、どちらかが完璧に嫌っていて/嫌われていて、意思の疎通がまったくないとしか思えません。


浮気性の医者との結婚話しが持ち上がったときには、興信所に医者の素行調査を依頼して、その調査結果をえりに

知らせに来たというのに、えりはけんもほろろで、調査書を読むどころか、畳に叩きつけて終わりでした。


たしかに自分がこの人と思い選んだ人物を疑うような事を言われたならば、ムカつくでしょうが、それ以前になぜまた10年も会わずにいたのか? たとえ普通の家庭のように毎日顔を合わせることはなくても、親と子の心は離れることはないと思います。


えりさんとの何か特別な感情のもつれやら、対立があったのならば10年という月日もわからないではないのですが、父親が、頑として母親には二度と家の敷居を跨がせないというのが、そもそもの原因でしょうから、会う気がありさえすれば、家の外ではいくらでもえりさんと会う機会はあったでしょうし、子としても、病的に嫉妬深い父親によって家から叩き出されてしまった母を不憫に思うのは当然ですし、また母親も普通ならば、定期的に娘に会う機会を設けるのが当たり前だと思います。


となると、やはり普通の母娘の関係ではなかったのではないのかと勘ぐってしまいますが、とにかく母親が大切な娘に会わずにいられたというのが不思議でなりません。一年ならまだしも十年も会わずにいられるというのは尋常ではありませんね。


しかし、どこの家庭にもその家庭にしかわからないといった特別なしきたりやら、ルールといったものがあるみたいですし、常識では考えられないような事もあるのかもしれません。


あの回想シーンでは、父親という人物は、妻がただの配達人である若い男に愛想よくしたというだけで、殴る蹴るの大立ち回りを演じる完璧な外基地でした。


あれがほんとうならば、確かに家にはいられるはずもありませんから、第三者に介入してもらう他ありません。

しかし、第三者に相談することもしないで、昔の幼馴染であるホストクラブ経営の男のところに身を寄せていたのでしょうか。


なにかわけのわからないことばかりで、殺人よりも、よほどあの家庭の事情の方が、ミステリだと思います。

まあ、えりさんという人は、母親にベッタリな娘ではなく、父親が大好きだったということでしょうか。


タラレバの話をしても仕方ないのですが、母親の忠告を受容していたならば、今回の事件もなかったわけですから、母親も娘も実に不幸ですね。


しかし、なぜまたえりさんは、旦那の浮気相手を家の中に招き入れ、さらには二階にまで上がらせていたのは、またなぜなんでしょうか。


あの人材派遣会社の女社長は、一億もの負債を抱えていたということでしたが、えりさん宅を訪ねてあんたは愛されていないんだから、早く別れろよと直談判に来たということのようでしたが、こちらの女性も相当イカレテますね。


TV番組のミステリということから、面白さをぎゅっと凝縮しなければならず、連続殺人鬼やら奇行の輩のオンパレードですが、しかし、まさにそれが現代社会を映し出す合せ鏡なのかもしれませんね。



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自治会長 糸井緋芽子 社宅の事件簿4 ネタバレ感想 [2Hドラマ]

自治会長 糸井緋芽子 社宅の事件簿4


出演

泉ピン子(糸井緋芽子)

高田純次 (糸井章太郎)

佐野泰臣  (糸井誠)

大久保綾乃 (糸井里佳子)

大和田伸也  (人事部長 大谷)

見栄晴(岸辺)

山口いづみ (大谷の妻 厚子)

岩本千春 (岸辺の妻 美和子)

飯田基祐、三田篤子、剛たつひと 

ほか


ふざけてない高田純次さん、よかったですね。だいぶお若いなと思っていましたが、製作が2004年ということでした。



しかし、どうなんでしょう、母親を階段から平気で突き落とすようなまねのできる子が、あの母親の愁嘆場でまるで悔悟したかのように膝をついて、泣き崩れる母親の手を取るなんてことがあるでしょうか。あのくらいで悔悟するなら、非行になど走ってはいないでしょう。他人に向けて刃物を構える少年は、まあたしかにナイフとかがカッコいいというのもあるかもしれませんが、とにかくいろいろ終わっている少年でした。高3といっていましたから、18でしょうか。


人に対して刃物を突きつけるという行為は、もう尋常ではありません。殴りつけるならまだしも、ナイフをチラつかせ、それもあろうことか隣人の母親を刺そうとするなどと、まともな少年とは思えません。


自治会長代理の緋芽子をわざわざ外に連れ出して、まるでいわゆるタイマンの喧嘩のようなつもりでいるのか、とにかくもううちの家庭に首を突っ込むなという脅しをかけたのでしょうが、まあ、母親が人を殺しても平気な人のようですから、どっちもどっちで非行に走らない方がおかしいくらいなものですね。


躾け云々では、まったくないんですけどね。もうはなから、「躾ける」みたいな考え方自体、おかしいことだと気づいていない親は、ダメですね。


イヌネコではないんです。なんて書くと犬や猫に怒られてしまうかもしれないのですが、子は親を見て育つわけなのですが、実は見えないところこそ、大切なわけです。


不倫やら収賄やらパワハラやら、そういった表沙汰にならないように陰で隠れてやっていることは、すべて子どもに反映されてきます。それを知らないから、ただ表面だけは、その自分の薄汚れた心とは真逆に、子どもたちに対しては厳しく律していくわけなのでしょう。


いうなれば、馬鹿の一言なのですが、これがわからないんでしょうね。見られなければ大丈夫、バレなきゃなにやっても平気、そういうのが根底にあるんですから、それが子どもに反映するのは、当たり前の話です。


余計な話になってしまいましたが、つまり、あの子どもたちは、親そっくりでした。

それこそパンチパーマwにするとか、いまどきリーゼントもないでしょうが、あるいはモヒカンにするとか、誰が見ても「族」だかチーマーだかに見えるワルには、まったく見えない。


あの妹の方も、あれでは完璧にレディースでしたね、病室で母親を見舞いに来たのではなく、金をせびってましたが、緋芽子が入っていくと本当に善良そうな可愛い子にガラリと態度も言葉も変えてしまう。あの豹変ぶりは、凄まじいものがありました。

体裁だけを取り繕うというところは、両親とまったく同じでした。


父親の大谷もまったく腐ったような人間でしたが、自分のいいなりに出来るからという理由から、章太郎を大抜擢したようですが、章太郎が少し芯があるところを見せようものならば、即座に、部下の面前で章太郎を愚弄する言葉を平気で吐き、課長としての立場を失墜させることなど平気の平左で、自分のパワハラに酔う底なしの馬鹿でした。


ですが、そのお陰で、章太郎は課長から部長へと出世できたのですから、よかったですね。大抜擢してくれた大谷に感謝してもいいかもしれません。笑


大谷の妻は、恐喝されていた紺野を階段から突き落として殺し、次いで岸辺の妻も階段から突き落としますが、一命を取り留めてしまったため、病室に忍び込んでまでして、ふたたび殺害しようとするなど、その業の深さが窺い知れます。とんでもないババアということですねw


しかし、いわゆるミステリものですが、なにやら他のミステリものとは一線を画するような気もしました。


それは、探偵さんやら、刑事さん、検事さん、家裁の調査官みたいなプロの方が活躍しなくても、物語は成り立つという証しですし、そしてそのためには

実力派の俳優さんが必要になってくるんだなと思いました。



緋芽子が、タイムセールのミルクを狙って買い物にいくシーンで、大谷の妻厚子を中心とする社宅の奥様連中と、ばったり出くわした際、大谷の妻に最低な嫌がらせを言われますが、緋芽子は、下を俯いてしまうのでもなく、また逆ギレしてしまうのでもなく、明るくギャグを言うように跳ね返してしまうのは、実にお見事であり、素晴らしいなと思って見ていました。


そんなわけで、泉ピン子さんの演技に、驚いた次第です。このシリーズは、やはりピン子さんなしではとても考えられない、そんな名演技でしたし、真面目な高田純次さんも、とてもよかったです。




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午後の名作ドラマ 松本清張 『蒼い描点』ネタバレ感想 [2Hドラマ]

午後の名作ドラマ 松本清張 『蒼い描点』


原作:松本清張「蒼い描点」

(新潮文庫刊)

<出演者>

菊川怜 (椎原典子)

田辺誠一  (崎野竜夫)

黒田福美  (村谷阿沙子)

高橋ひとみ  (偽よしこ)

小日向文世  (白井良介)

大杉漣  (田倉義三)

ほか


いきなりネタバレですが、高橋ひとみさん演ずるところの、ニセよしこさんが、実は犯人だったので、驚くとともに、高橋ひとみさんまた犯人役なのかと失礼ながら笑ってしまいました。


やはり綺麗な人に犯人役をやらせると絵にもなるし、怜悧な感じがより殺人を際立たせることになるからでしょうか。


ですが、手すりのしっかりとある場所で、下を覗き込んでいるようなシチュエーションでないと、人を突き落とすということは、かなり力の強い人でもないと困難なことだと思います。崖っぷちや階段なら、か弱い女性でもいくらでも可能と容易に想像できますが。


ぼくは、あまりTVは見ない方だと思うので、失礼な発言になるかもしれないのですが、菊川玲さんをなんか久しぶりに見たような印象です。


真ん中分けというのも新鮮でしたが、たしかずっとパンツスタイルだったような?? 実に曖昧な記憶なんですが、スカートを見なかったような気がしています。


それで、まあお話はよくあるような盗作とか贋作とかの騒ぎの中で箱根と東京で起こる殺人事件なのですが、さすがにミスリードがお上手で、最初は村谷という日本現代文学大賞を受賞した女流作家さんが真犯人であるように見せかけ、次いで、実はそうではなくほんとうの真犯人は、陽光社「週間文論」編集長である、小日向文世さんが演ずる白井良介なのかと匂わせておきながら、まだその奥に真実が隠されていた! というどんでん返しが楽しい物語でした。


しかし、短編を膨らませて長編にしてもやはり盗作ということになるんでしょうか?


作家さんならば、いくらでも削ったり、水増ししたり、ぼやかしたり、誇張したり、真逆なパターンにしたりと、さまざまなバリエーションを駆使して、盗作といいますか、オマージュといいますか、かなり似ているといいますか、そんな感じでやれなくはないですよね。


ただ、そんなくだらないことはやらないだけで、しかし、他の人の小説を読んだり、あるいはTVドラマを観て、あるいはニュースを見て、新聞を読んで、お風呂に浸かりながら、フッとインスピレーションが湧いてくるということはあるわけで、とにかく名前のある立派な作家さんが、たとえ同人誌で素敵なヒントを得たとしても、そこはかとなく似てるいるなあとわかるくらいの真似方ではないでしょうか。いくらなんでもコピペはしないでしょうから、あくまでも村谷女史の盗作疑惑は、内輪の話で、同人誌の同人だけが知っている墓場の中まで持っていく類いの秘密なのだと思います。


事実、刺された村谷女史は、もう作家は辞めるとはいっていましたが、今回の盗作云々は、一切世の中に知らされることなくうやむやにされて終わりなのだと思います。


 アイディアを頂戴するくらいのことは、誰でもやっていることだと思いますし、今回のケースは、ネタ本があったというわけですね。


しかし、その同人誌の偉い先生は、七年前に亡くなっていることを考えると、そちらもなにやら事件性がありますね。


たしかに、文才のある方でも、アイディアの枯渇ということはあることなのかも知れないのですが、いわゆる盗作とパスティーシュあるいは、オマージュというものとの線引きがいまひとつ、ぼくにはよくわかりません。


パスティーシュもオマージュも、元の対象となる作品があったからこそ生まれ出てきたものであるとは思うのですが、「出藍の誉れ」みたいなことも稀にあるやも知れず、新しい解釈の斬新さが、オリジナルを凌駕するなんてこともあるかも知れません。


 まあ、あまりこの事に関して考えてみたいと思うような事柄でもありませんので、どうでもいいのですが、松本清張さんがお書きになっているくらいですから、実際に盗作疑惑とかいうものはそこらへんにごろごろ転がっているのかもしれませんね。


菊川玲さんの演ずる編集者椎原典子は、村谷先生を姉妹のように感じていたという、作家と編集者の関係ではありえないようないい関係であったようで、エンディングも人を信頼するという編集者椎原典子の素直な性格が反映して清々しさが漂い、よかったと思いました。


菊川玲さんの次回主演作を心待ちにしたいと思いました。

ありがとうございました。



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森村誠一サスペンス 魔性の群像 刑事・森崎慎平3 ネタバレ感想 [2Hドラマ]

森村誠一サスペンス

魔性の群像 刑事・森崎慎平3



出演

小泉孝太郎、安達祐実、岡田義徳、和田正人、大河内奈々子、堀内正美、加藤頼、松本来夢、加藤虎ノ介、千賀功嗣、川原亜矢子、田中美奈子、加藤茶、加藤剛 ほか


2015年作品。


しかし。


問題は、これからですよね?

そこで終わりっていうのは、奥さんを通り魔に殺害されて、もう絶対に逃げないとたしかに森崎さんは心に誓ったのでしょうが、その気持ちは100%伝わっては来たのですが、番組枠が残念ながら足らず、尺の中に収まりきらなかったのでしょうね。あと30分ほど尺に余裕があったのならば、これからが勝負であり巨悪をどう攻め落としていくのかが、このサスペンスの骨子であろうはずなのに、ちょうど時間となりました、で完璧に逃げてませんか? みたいには思いませんでしたが、これではみなさん、納得されてはいないんじゃないでしょうか?


冒頭のなにをやらかして追われる身になったのか、まるでわからない犯人だか容疑者の逃走シーンがありましたが、その追われる身の若い子は、パルクールでもやっているのか、もう忍者顔負けの身のこなしで、高い所からピョンピョン漫画みたいにジャンプしたり軽々とフェンスを乗り越えたりして逃げまくっていたわけですが、森崎さんが瞑目して、 その瞑目する森崎さんをカメラがぐるぐる回りながら撮影するといった、なにやら見ていてこの森崎という人物は、刑事という表の顔を持ちながら、どうやら超常的なパワーをも併せ持つ、そんなハイブリッド"デカ"

の物語なのかと、刮目していたのですが、そんなこともないようでしたが、しかし、忍者みたいな若い逃亡者である彼が逃げ切ったかなと思ったところに、森崎さんは、先回りしていたかのように待っていたのですから、確かに予知能力みたいなものを、感じさせてもくれました。


ただしかし、CM入りでの静止画のズームや、一箇所だけでしたが、凄く映像的に遊んでいらっしゃるところがあって、森崎さんだけはバルブで固定して、周囲は時間通りに動いているので、幽霊が動き回っている、みたいな面白い映像がありました。


プロデューサーがギリ許してくれたんですかね?笑

ですから、やろうと思えば結構娯楽作品でも、それもお茶の間に流れるドラマでも、結構遊べるんだなと感心したりしました。


あと気になったことを挙げるならば、バスケ好きのレンくん? でしたか、すいません、名前を失念してしまいましたが、彼がジャーナリストの母親を持つたぶん同級生の女の子に、ちょっといいもの見せるから、みたいな感じでバスケの練習コートからほど近いとあるビルへと一緒に行き、非常階段を駆け上がり、そこから富士山の素晴らしい眺望を、彼女に見せるわけなのですが、その際にふと見たビルの一室で札束を手にして何やらやっている人物を窓越しに垣間見てしまうという、シーン。


ここで、たしかに銀行でもない限り100万円の札束を目にするということは、あまりないのかもと思うのですが、男の子は、なぜか彼女にオマエは先に降りて逃げろみたいな感じで、彼女を逃すのに対して、自分は逃げずにまだ窓を見続けている、という演出がわけわかりませんでした。


何やらよからぬ事をやっているのかなと思った時点で、気づかれないように静かに逃げるのが、ごく普通の対応だと思いますし、彼女だけ先に逃がして自分だけ残る意味がわからないのですね。


ですので、原作がどうなっているのか不勉強なため知りませんが、ここは、札束ではインパクトに欠けるといいますか、事件性に欠けていますので、見てはいけないものを見てしまったというかなりヤバイ現場を設定しないとリアルさはないと思いました。


たとえば、レイプシーンとか、殺人シーンを見てしまったとか、まあ手垢のついた陳腐な設定ですが、決定的ではありますね。


それから、凄くいやな印象をみなさんがお持ちになったと思いますが、あの森崎さんと同窓の眼鏡の管理官ですが、実は彼も組織に潰されたひとりであるとか、ないとか、よくわからないキャラ設定でしたねw


最終的には、電話一本でキャラ変して、森崎さんと官僚の巨悪に挑むという流れになっていましたが、彼についていた二人の手下みたいな奴らは、実は彼の見張り役であって、彼こそは、森崎さんに負けじ劣らず、権力に屈しない正義の人だった、ようですね。笑




それで、巨悪の片棒を担ぐ会社社長さんが、加藤茶さんというのは、結構インパクトがありましたw

あそこで、レースのカーテンを大きく開け放って、「大義のためになんちゃら」というセリフではなく

「ちょっとだけョ?」という台詞を吐かせていたならば、TV局は、非難轟々の雨あられだったでしょうか?

想像すると、楽しいです。



加藤剛さんの、柔らかい微笑みがとても印象的でした。加藤剛さんは、むろん主役ではないわけなのですが、若い出演者の方ばかりではなく、燻し銀の演技を見せる年配の方の存在は、ドラマを引き締めてくれるなくてはならない存在だと思いました。


面白かったです!

ありがとうございました。



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家裁調査官・山ノ坊晃〜紛争解決100%の男!』ネタバレ感想 [2Hドラマ]

家裁調査官・山ノ坊晃〜紛争解決100%の男!』 … 2016年4月撮影 

脚本:深沢正樹 

監督:赤羽博 

山ノ坊晃 … 小泉孝太郎 

遠藤勝也 … 尾美としのり 

山ノ坊賢一 … 石橋蓮司 

山ノ坊光子 … 前田美波里 

山ノ坊京 … 堀内敬子 

芦田誠 … 小倉久寛 

片瀬綾乃 … 宮本真希 

片瀬哲夫 … 葛山信吾 

三枝琴美 … 佐藤藍子 

大河原弥生 … 山口果林 ほか 


ということで、2016年の作品だったんですね。意外に古いのでちょっと驚きました。


誰も思いつかない真犯人というのが、意外性があって面白い、というのは確かにあるのでしょうが、この作品はどうなんでしょうね。


大河原の3億相当の宝石を盗んだ実行犯は、内藤ゆかりひとりであり、運転手と家政婦までも悪だくみの仲間に引き入れるという理由がまったくわからないのですね。

内藤ゆかりが金庫から持ち出して、それをふたりに連携して外に持ち出したというわけでもなさそうですから。内藤ゆかりに宝石は託されたわけで、運転手も家政婦も一切盗みに加担してはいないのです。


つまり、運転手と家政婦は、哲夫に接触したのち、殺される役として、ドラマのために機能しているのみなのです。



ラストのウィズセレクトの倉庫での真相を明かすシーンですが、快刀乱麻の如く真相を解き明かす坊っちゃんの推理の経緯が何も語られることなく、一気に真犯人の犯行を明晰に言い当てていくのは、ただシナリオにそう書いてあるから、としか思えない論理の飛躍があるだけに感じました。



これこれこうだから、こうであり、つまり、この人が真犯人である、という説明が一切ないまま、ただたんに回想シーンを流して、真相はこうです!では、誰でも、たとえばドラマにとりあえずは出演している、まったく台詞すらないエキストラのおばちゃんを、引っ張ってきて真相は、こうでしたと、エキストラのおばちゃんが、包丁で刺しまくる映像を流して、いや、まったく意外な犯人でした。的な展開だったということを感じた方も少なからずはいらっしゃるのではないかと思います。


三枝琴美が、山梨の大河原と面識があったことさえ、われわれ視聴者には一切知らさらていなかったですし、警察としてもなぜまた三枝琴美が犯人であることを立証できたのでしょうか?

物的証拠があるわけでもなく、誰か犯行の目撃証言をしたのでしょうか?



殺人の真犯人の推理というよりか、三枝琴美が手錠をかけらて、連行された後に明かされるケンタくんの出生の秘密が凄かったですね。


実は、内藤ゆかりの産んだ赤ちゃんは、大河原の子などではなく、片瀬哲夫の実子であり、夫婦は互いに出生の秘密を明かさないまま、嘘をつき通してきたという事実は、驚くべきものでした。


しかし、よく考えてみると、そもそも片瀬綾乃がなぜまた離婚したいなどと思い立ったのか、これが不明ですね。

三枝琴美の離婚した方がいい、という口車にうまく乗せられてしまった、ということなのでしょうが、度重なる浮気に夫婦の会話もない等、の理由が見当たらないまま、ただ単に綾乃は旦那さんに対して冷めた感情しかもっていないという映像が流されるだけなのです。


物語は、いきなり離婚調停のシーンではじまり、離婚への経緯がまったくわからないのですが、なぜ綾乃さんが離婚を急ぐのか、頑なに離婚したがるのか、その理由がわからないと、坊っちゃんに「伏線」を台詞として言わせているのですが、それはNGだと思いますね。


つまり、これは綾乃の心理を語らないで、台詞で「わからない」と言わせることによって、綾乃の心理はわからないという理由づけをしているだけにすぎないからです。


浮気が原因ならば調査官の坊っちゃんが知らないはずはないですし、つまりは、やはり三枝琴美に離婚調停を勧められたからという理由であるから、綾乃の心理が、まったく読めないというわけなのである、としたいのでしょうが、それでもおかしいんですよ。


それとも、三枝琴美が何か浮気の現場写真やら事実を捏造して、綾乃に離婚を焚きつけたというならば、話はわかります。そうであるならば、その映像を流さないのは、アンフェアだと思います。しかし、それを見せてしまうと、三枝琴美が犯人であると気づかれてしまうので、敢えて伏せているということなのかなと思いました。


ラストの真相を解明するシーンで、「宝石の隠し場所を綾乃さんから探りだそうとしているあなたにとって、哲夫さんの存在は、邪魔でした。だから、綾乃さんに離婚を決意させ、調停まで勧めたんですね」


と坊っちゃんは、言います。


ここで「伏線の回収」を行なっているつもりなんでしょうが、つまり、綾乃が頑なに離婚したがる理由は、これだ! というわけです。


しかし、それは、シナリオを書いた人のただの説明であって、理由ではないんですね。綾乃の心理は一切語られてはいないのです。理由というのは、人の心の動きを語ることだからです。


さらに言えば、


「宝石の隠し場所を綾乃さんから探りだそうとしているあなたにとって、哲夫さんの存在は、邪魔でした。だから、綾乃さんに離婚を決意させ、調停まで勧めたんですね」


なぜまた宝石のありかを知る事に、哲夫が邪魔になるのか? まったく以ってその理由がわかりません。

哲夫がいると、聞き出しにくい何かがあるのでしょうか? 旦那と色々相談されては困るし、旦那がいない方が、支配しやすいからという理由でしょうか?


坊っちゃんが、そう言っているのですから、そうなんでしょうが、坊っちゃんが、当たり前の事のように、哲夫さんの存在は邪魔でした、と言い切れるその自明である理由を台詞として、吐かせてほしかったというのはありますね。




ぶっちゃけ。


家裁調査官ですので、彼が登場するためには、離婚調停等の案件が必要ですから。


今回の離婚調停を行う理由は、第三者に勧められたから、らしいです。









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テレ東 ドラマスペシャル「あまんじゃく」感想 [2Hドラマ]

あまんじゃくを観ましたので、感想を書いてみました。


いや、おもしろかったです。

裏の仕置人なんですが、それが医療関係専門の殺し屋というところが、新鮮でした。


カテーテルを用いたり、薬品を用いたりさすがに元外科医ならではの、殺しのテクニックが満載でした。


また、依頼人との待ち合わせ場所がまたユニークでおもしろいですね。なんかいつも雨が強く降っていて、橋爪功さんのエージェント横倉もいい味出していました。


場所を変えて居酒屋でのシーンもよかったですね。一滴もアルコールを飲まないで、トマトジュースだけを飲むというのは、ある種エキセントリックで殺し屋らしいかもしれません。


臓器売買の世界的組織のリーダーが、日本人の中にもいたという震撼する事実は、怖いですね。



伊藤蘭さん演ずるところの、児童施設の園長さん花井環は、両手に拳銃を持って保持したまま長広舌しなければならず、腕が結構つらかっただろうなどとドラマとは関係ないところに気がいってしまいましたが、つまりは、伊藤蘭さんには悪役があまり似合わないというところに話は落ちついてしまうのかもしれません。


この上もなく平和的で、人道的な人物が、手のひらを返すように拳銃を撃ちまくるというのは、まさかこの人がという意外性があって、そのギャップが面白いのでしょうが、幼い頃生き残っていくために悲惨な日々を送っていたことにより、貧乏人は、ヒトではないという思想にいきついてしまったということが語られます。



考えてみると、悪役の方というのは、やはり重要な存在なんですね。

悪役を演る人というのは、結構決まっていたりしますが、すごく温厚そうな人が、悪役は似合わないかと言うとそんなこともないようで、逆に不気味な存在感を放つ場合もありますから、一概ににはなんとも言えないですね。


子どもたちが臓器売買のためのドナーとして、飼われているみたいな小説を以前、読んだ事がありましたが、気持ちが悪くて半分も読まない内に投げ出してしまったことを思い出しました。


クローンというやり方では、人道的に絶対許されることはないので、臓器だけを作る方向へと向かっているのではないでしょうか。




まさかのアクションシーンがあり、びっくりしましたが、あの拳銃の音がいまひとつしょぼくれてて、残念でした。


映画とかでやたらドンパチ撃ちまくりますが、ドンドンドンと重たい音であり、あまんじゃくのは、パンパンパンでしたねw

あんなに軽い音ではないのではと素人考えするのですが、いったいどっちが本当の発砲音なのでしょうか。


ちょっと調べてみたら、厳密にいうとどれも実際のいわゆる「銃声」ではないらしいですね。


発砲する際に衝撃波が出るので、それを録音再生できないということらしいです。


ですので、生の音は自分で撃ってみるしか手はなさそうです。あとは自衛隊の演習とかに行くとかでしょうか。


花井環が、海外に逃亡する際でしょうか、トマトジュースが好きな男が、花井の後ろを通る際に何かをやって、彼女は即死してしまったようなのですが、それがどんなテクニックを用いたものなのかが、素早すぎてわかりませんでした。脳に何かダメージを与えたようなのですが、折壁の技を見たかったです。


地下でのアクションシーンが始まる際に、悪党たちも全員がオペの執刀時のように両手を胸の前に掲げるジェスチャーをするのですが、それが不気味で笑えました。


配管やらタンクやらダクト等が剥き出しの地下でのアクションシーンは、映画等でよく見かけるのですが、惜しいかな今ひとつ迫力に欠けるのは否めないところなのかなというのは、ありました。


僕は未だに「白い巨塔」を繰り返し観ている人間ですので、唐沢寿明さんには外科医のイメージが、バッチリ当てはまります。


原作に忠実に再現されたということなのかもしれないのですが、外科的な殺しのシーンとさらには体当たりの格闘シーンまであるという盛りだくさんなのですが、原作でもやはり、60歳前後、老人手前のギリギリ初老の男性が主人公なのでしょうか。



たしかに殺しを生業にする50代の方も少なからずいらっしゃるのでしょうが、身体を張った格闘系の殺しか、一撃必殺的はスマートな殺しの、いずれかを専門とするのではないのかなと愚考するところではあります。


まあ、端的に言えば武闘派なのか、頭脳派なのかと言うことですよね。ですので、このキャスティングは、外科医としての、唐沢寿明さんのイメージに寄りかかった配役なのかなと思いました。


現実問題として、殺したいヤツがいるという人は、いくらでもいるでしょうし、つまりは殺人依頼の需要がなくなることはない稼げるジャンルといえますね。


確実に法に抵触しますが、個人単価が非常に高いので、決してなくなることはない職業といえるのかもしれませんが、実際に求人が出しづらいジャンルですね。笑


原作があるということですし、これからも展開していくような感じで終わっていましたが、どうなんでしょう。

本作にも、何件かの殺しの依頼があり、それらのエピソードが多層的に構成されてありましたので、ワンクールツークールと幾らでも出来るのではないでしょうか。


そして、シリーズ化するならば、なんといっても、唐沢寿明さんの理詰めのクールな殺人が、「売り」だと思いますので、そちらを推し進めていただきたいと思います。



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あんみつ検事の捜査ファイル② 〜白骨夫人の遺言書〜ネタバレ感想 [2Hドラマ]

あんみつ検事の捜査ファイル② 〜白骨夫人の遺言書〜を観ましたので、感想を書いてみました。


風巻やよい(片平なぎさ)

石橋大輔(石塚英彦)



なかなか難しいテーマだったように思いました。


しかし、なぜまた実の妹を家政婦として働かせている、みたいなわけのわからない事をやってるんでしょうか?


タエコが白州研一郎の実母であることは、墓の中まで持っていく秘密であるにしても、タエコがなぜまた実の妹であることを白州泰子は、隠さなければいけなかったのか。


自分の夫を寝取った憎い女だから、ということで、家政婦として雇入れてやるのは、むしろ寛容的でさえあると考えているんでしょうか。


ネグレクトですか、子どもの頃は、母親の分まで面倒をみてあげた妹なのに、泥棒猫みたいなマネをして夫を寝取られたと思っているのかもしれませんが、むしろ責めるべきは夫の方にあるのではと思います。


まさかタエコが誘惑したはずもなく、なにかタエコだけが悪者みたいな扱いになっていたようにも思えました。


飯田とかいう手に蜘蛛の巣のタトゥーを入れたやつは、無関係なはずなのに動機はなんだろうと思っていたら、案の定「脅迫されて」でした。


ミステリ作品を観ていると、必ずこの二次災害みたいな殺人がセットのように付属しているのが、鉄板のようです。


ここでは白州泰子に女を誘惑してと依頼を受けた飯田が、研一郎の彼女に酒を飲ませて、Hしてしまうわけなのですが、よく考えてみると初めて会った女のいるアパートの近所を飯田がいつまでもうろついているはずもないのです。


もう誘惑するという仕事は済ませているのですから、さっさと帰るのがどう考えても普通です。近所をうろうろしているわけもありません。


仮に飯田がHして今しがた外に出てきて、煙草でも吸いつけているところへ、タエコが現われてアパートに入っていくのを見たというならば、辻褄は合うのですが、飯田が見たのは、あたふたと小走りに走り去るタエコの後ろ姿です。


また、タエコは家政婦にすぎないのに、雇い主の白州泰子の息子研一郎のプライベートに深く関わっていて、研一郎の彼女のアパートまで知っていて、知っているばかりかよく訪ねてもくるという状況は、世間一般ではまず見受けられることではありません。


たとえいくら研一郎が、世間知らずのお坊ちゃんだとしても、家政婦が自分の彼女のアパートによく来るという異常さに何も違和感を感じなかったのでしょうか。まあ、それが白州家では常識となっていたのでしょうが。


研一郎は、社長業が忙しい母泰子の代わりに小さい頃から日常の身の回りの細々とした世話や、泰子にも言えない悩み等をタエコに聞いてもらうのが、常態だったわけなのですが、そういう関係を許してくれていたのは、むろん泰子であり、その日常の世話を焼き、いろいろな話を聞いてあげるというタエコと研一郎の関係が、当たり前のこととして、研一郎は育てられてきたわけですね。


それは、姉泰子の優しさであったわけですが、ここまで考えてきてやっとわかりました。つまり、研一郎にとっての家政婦という職業の人は、家事一般やら細々とした雑事をこなし、プライベートの話もできる女性である、というように泰子に幼い頃から育てられたということなんですね。


生みの親と育ての親が異なるというのは、よく聞く話ではありますが、タエコと泰子のケースは、親権は泰子にあり、研一郎ももちろん泰子が自分の実母であることを露とも疑ってはいないのですが、日常の生活一般は、タエコがすべてに渡り面倒をみていたというわけで、実のところ産みの親が、しっかりと育ててもいた、ということになります。


ただ、研一郎の持つ母親像に、唯一合致するのは、泰子以外にはないのですが、実際には文字通り「ふたりの母親に育てられた」ということになるのかなと思いました。


いわば、精神的支柱としての父親の役目を泰子が、身辺の世話を焼き実際に育児にあたる役目をタエコが、それぞれ担っていたのだと思います。


それで。


タエコと泰子のふたりの母の考えは、やはり常に一致するはずもなく、研一郎の許婚の話ともなると、泰子は神経をとがらせるわけなのですが、タエコは、好きな人と結婚するのが一番みたいな考えであり、泰子のように「今の交際相手が白州化粧品の経営者となる研一郎に相応しくはない」とは思ってはおらず、研一郎と南美子の結婚をむしろ後押しする感じだった思います。


そんな風に、タエコは南美子をお金目当てで研一郎と交際している人間などとは思っていなく信頼しきっていたわけなのですが、ところがアルコールが入って口が軽くなっていた南美子は、ペラペラと研一郎の実の母に、事の真相を語ってしまいます。


(関係ないのですが、シナリオを書いた方は、アルコールが二度美味しいアイテムであることに気がついて快哉を叫んだのではないでしょうか?笑)


そして、本人からまさかの裏切り行為の告白を聞いたタエコは、逆上し犯行に及んでしまった、という流れでした。


泰子が、裏から手をまわし南美子に刺客を送り込んであったわけで、それがある意味裏目に、またある意味では成功裡に終わったわけですが、考えてみると、泰子の老婆心とも思えたその考え方が、実は正しかったというわけですね。


*まとめ

とにかく風巻やよい役の片平なぎささんの、美しさにはやられましたw

女優という職業の方は、やはりすごいですね♪



*追記

冒頭に書いた理由がわかりました!

家政婦が、身の回りの世話を焼くのは別段おかしいことではないからという理由ですね。

泰子の妹であり、研一郎の叔母としてならば、身の回りの世話を細々とみることは不自然となりますから、家政婦として迎え入れたということなのであり、非常に複雑な関係ではありましたが、タエコは研一郎と一緒にいられて幸せだったろうなと思います。



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