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家裁調査官・山ノ坊晃〜紛争解決100%の男!』ネタバレ感想 [2Hドラマ]

家裁調査官・山ノ坊晃〜紛争解決100%の男!』 … 2016年4月撮影 

脚本:深沢正樹 

監督:赤羽博 

山ノ坊晃 … 小泉孝太郎 

遠藤勝也 … 尾美としのり 

山ノ坊賢一 … 石橋蓮司 

山ノ坊光子 … 前田美波里 

山ノ坊京 … 堀内敬子 

芦田誠 … 小倉久寛 

片瀬綾乃 … 宮本真希 

片瀬哲夫 … 葛山信吾 

三枝琴美 … 佐藤藍子 

大河原弥生 … 山口果林 ほか 


ということで、2016年の作品だったんですね。意外に古いのでちょっと驚きました。


誰も思いつかない真犯人というのが、意外性があって面白い、というのは確かにあるのでしょうが、この作品はどうなんでしょうね。


大河原の3億相当の宝石を盗んだ実行犯は、内藤ゆかりひとりであり、運転手と家政婦までも悪だくみの仲間に引き入れるという理由がまったくわからないのですね。

内藤ゆかりが金庫から持ち出して、それをふたりに連携して外に持ち出したというわけでもなさそうですから。内藤ゆかりに宝石は託されたわけで、運転手も家政婦も一切盗みに加担してはいないのです。


つまり、運転手と家政婦は、哲夫に接触したのち、殺される役として、ドラマのために機能しているのみなのです。



ラストのウィズセレクトの倉庫での真相を明かすシーンですが、快刀乱麻の如く真相を解き明かす坊っちゃんの推理の経緯が何も語られることなく、一気に真犯人の犯行を明晰に言い当てていくのは、ただシナリオにそう書いてあるから、としか思えない論理の飛躍があるだけに感じました。



これこれこうだから、こうであり、つまり、この人が真犯人である、という説明が一切ないまま、ただたんに回想シーンを流して、真相はこうです!では、誰でも、たとえばドラマにとりあえずは出演している、まったく台詞すらないエキストラのおばちゃんを、引っ張ってきて真相は、こうでしたと、エキストラのおばちゃんが、包丁で刺しまくる映像を流して、いや、まったく意外な犯人でした。的な展開だったということを感じた方も少なからずはいらっしゃるのではないかと思います。


三枝琴美が、山梨の大河原と面識があったことさえ、われわれ視聴者には一切知らさらていなかったですし、警察としてもなぜまた三枝琴美が犯人であることを立証できたのでしょうか?

物的証拠があるわけでもなく、誰か犯行の目撃証言をしたのでしょうか?



殺人の真犯人の推理というよりか、三枝琴美が手錠をかけらて、連行された後に明かされるケンタくんの出生の秘密が凄かったですね。


実は、内藤ゆかりの産んだ赤ちゃんは、大河原の子などではなく、片瀬哲夫の実子であり、夫婦は互いに出生の秘密を明かさないまま、嘘をつき通してきたという事実は、驚くべきものでした。


しかし、よく考えてみると、そもそも片瀬綾乃がなぜまた離婚したいなどと思い立ったのか、これが不明ですね。

三枝琴美の離婚した方がいい、という口車にうまく乗せられてしまった、ということなのでしょうが、度重なる浮気に夫婦の会話もない等、の理由が見当たらないまま、ただ単に綾乃は旦那さんに対して冷めた感情しかもっていないという映像が流されるだけなのです。


物語は、いきなり離婚調停のシーンではじまり、離婚への経緯がまったくわからないのですが、なぜ綾乃さんが離婚を急ぐのか、頑なに離婚したがるのか、その理由がわからないと、坊っちゃんに「伏線」を台詞として言わせているのですが、それはNGだと思いますね。


つまり、これは綾乃の心理を語らないで、台詞で「わからない」と言わせることによって、綾乃の心理はわからないという理由づけをしているだけにすぎないからです。


浮気が原因ならば調査官の坊っちゃんが知らないはずはないですし、つまりは、やはり三枝琴美に離婚調停を勧められたからという理由であるから、綾乃の心理が、まったく読めないというわけなのである、としたいのでしょうが、それでもおかしいんですよ。


それとも、三枝琴美が何か浮気の現場写真やら事実を捏造して、綾乃に離婚を焚きつけたというならば、話はわかります。そうであるならば、その映像を流さないのは、アンフェアだと思います。しかし、それを見せてしまうと、三枝琴美が犯人であると気づかれてしまうので、敢えて伏せているということなのかなと思いました。


ラストの真相を解明するシーンで、「宝石の隠し場所を綾乃さんから探りだそうとしているあなたにとって、哲夫さんの存在は、邪魔でした。だから、綾乃さんに離婚を決意させ、調停まで勧めたんですね」


と坊っちゃんは、言います。


ここで「伏線の回収」を行なっているつもりなんでしょうが、つまり、綾乃が頑なに離婚したがる理由は、これだ! というわけです。


しかし、それは、シナリオを書いた人のただの説明であって、理由ではないんですね。綾乃の心理は一切語られてはいないのです。理由というのは、人の心の動きを語ることだからです。


さらに言えば、


「宝石の隠し場所を綾乃さんから探りだそうとしているあなたにとって、哲夫さんの存在は、邪魔でした。だから、綾乃さんに離婚を決意させ、調停まで勧めたんですね」


なぜまた宝石のありかを知る事に、哲夫が邪魔になるのか? まったく以ってその理由がわかりません。

哲夫がいると、聞き出しにくい何かがあるのでしょうか? 旦那と色々相談されては困るし、旦那がいない方が、支配しやすいからという理由でしょうか?


坊っちゃんが、そう言っているのですから、そうなんでしょうが、坊っちゃんが、当たり前の事のように、哲夫さんの存在は邪魔でした、と言い切れるその自明である理由を台詞として、吐かせてほしかったというのはありますね。




ぶっちゃけ。


家裁調査官ですので、彼が登場するためには、離婚調停等の案件が必要ですから。


今回の離婚調停を行う理由は、第三者に勧められたから、らしいです。









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