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森村誠一サスペンス 正義の証明 ネタバレ感想 [2Hドラマ]

森村誠一サスペンス 正義の証明を観ましたので、感想を書いてみました。


伊吹(吉田栄作)

奈良岡(若林 豪)

那須(加藤 剛)



なかなか見ごたえがありました。

サスペンスと銘打ってありますので、いわゆるミステリとは一線を画するものなのかもしれませんが、とりあえずトリックらしいトリックはなく、正攻法といいますか、ストロングスタイルといいますか、とにかくよかったですね。

  

それで、不勉強なためまったく知らなかったんですが、「せんじょうこん」なる言葉が聞こえてきまして、なんだろうとちょっと調べてみたのですが、線条痕はライフリングと呼ばれるもので、銃砲の砲身の内側に螺旋状の溝が切られているらしいです。なぜそんな溝があるのかというと、その螺旋により砲身を加速しながら通過していく弾丸に回転を加えるためだそうで、その旋回運動を加えられた弾丸は、ジャイロ効果により直進性が高まる。つまりまっすぐ飛ぶように、溝が彫られてあるということですね。


それで、その螺旋状の溝は個体により異なるらしく、つまり、発泡し着弾した弾丸には、その螺旋の痕、線状痕が刻まれていますので、同一の銃砲から放たれた弾丸であるか否かが、明確にわかるということです。


ということらしいのですが、実のところ一丁一丁異なるライフリングを刻むということは、ありえませんので、新品で異なる線状痕を確認するのは、難しいのではないかなと思います。

発射弾数が増えて、摩耗により溝の形状が変化することは考えられますので、そのケースでは線状痕の不一致ということはあるのかなと思いました。


まあ、そういうことなんですが、線状痕の一致、不一致ということは、あまり意味ないようにも思えますね。

それを逆手に取って、別な銃を使えばいいことですし、同じライフルから発射された弾丸で線状痕がすべてキッチリ一致することなんてあるんでしょうか? それにそもそも銃を特定出来たとしても、問題は誰が撃ったのか? 発砲したのか? ですから。


ま、それはともかく。

真犯人は、早くから予想がつきましたが、奈良岡ですか? ひどかったですね。また親も親なら子も子で、奈良岡みかさんですか? 猟銃で狩りをするのが趣味なんでしょうか? クレー射撃くらいにしておけばいいのに、人を撃っちゃまずいですよね。


法治国家ではありますが、法の網の目をくぐり抜け、あるいは権力を笠に着てやりたい放題やる奈良岡ですが、広域暴力団とも太い繋がりがあるようで、もう完全にアウトな人物でしたね。


暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、通称暴対法ですが、施行は、平成3年ということですので、もう

27年もの前のことになるんですね。


このTVドラマの「正義の証明」は、2011年製作とのことですが、原作の森村誠一さんの上梓は、2004年ということで、なんとなくうなく頷けもしますが、確かに現在の為政者も口ではなんと言おうが、裏では反社会的な団体と繋がりがないこともないとは思うのですが、作中の奈良岡はおおっぴらに暴力団を使って、娘のみかの警護にあたらせるなど、今ではありえないことだと思うんですが、どうなんでしょう?


警察に頼むのではなく、暴力団にそれも、全員がライフルを手にして、別荘の警護を担当しているというのも、昭和の匂いのするなかなかシュールな画でした。


一連の狙撃はイジメが端を発していたわけですから、奈良岡みかが、すべての元凶と考えていいですね。


みかの彼氏は、吉田栄作さん演ずるところの伊吹の甥を轢き逃げしたことにより、私刑人に狙撃されて、ついには

みか本人の怒りも買って、後ろから射殺されてしまいますが、みかさんは、覚醒剤やらドラッグをやっている割には、さすがにハンティングをやってるだけあって、的を外しませんね。至近距離をライフルでというのが新鮮でした。


悪徳政治家の圧力によって、イジメの事実も、死を以って潔白を抗議したことも、すべてはうやむやにされてしまい、絶対的な無力感を感じて超絶的存在の私刑人へと変貌を遂げていかざるを得なかった心理は、たしかに理解できます。


警察としては、威信にかかわるとかではなく、模倣犯が続出していくことによって、法では裁けない巨悪には、我々自身が正義の鉄槌を下さなければならないのだ、すなわち正義という名のもとに殺人が行われることは、正しいことなのだという、思想の蔓延はどうしても防がなくてはならない。


狙撃という形ではなく、さまざまな方法を用いて私刑を行うことは、可能なことであり、「正義の完遂」という大義名分さえあれば、法すらも超えてなんでもできるのだという社会になったら、たしかにたいへんですね。


しかし、かえすがえすも、私の財布を盗んだというウソを平気でついて、わざわざバッグに自分の財布を忍ばせておくという信じ難いまねができた奈良原の馬鹿娘が、憎いですね。


正義感溢れる伊吹と、それを大きな包容力であたたかく見つめる、那須。

そのラストの那須の微笑みが印象に残った、素敵な作品でした。





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西村京太郎 十津川警部37 特急あずさ殺人事件 感想 [2Hドラマ]

西村京太郎 十津川警部シリーズ37 特急あずさ殺人事件を観ましたので、感想を書いてみました。





なんとも言えない事件でしたが、たしかに拉致監禁の犯人が最高でも七年しか刑に処されないというのは、あまりにも軽すぎる処罰だと思います。


*刑法第220条

不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。


橋野要とかいうヤツは、十津川警部がものを尋ねても、パソコンでフィギュアを見たままであり、ほとんど顔もあげないその舐め切った態度には、呆れました。



仮にも起業し、なんちゃらトレジャーとかいう会社の経営者であるならば、あれはないですよね。社長とは俄かに信じがたい、ただの街のダニに見えました。



新井優子さんが、拉致監禁のことを訊ねられても、憶えていませんというのですが、それは、忌まわしい過去を思い出したくはないということではなく、実際に長期反復性外傷によるトラウマから、本能的に身を守るために、拉致監禁以降のことを忘れてしまうということだったのですね。


優子さんは、拉致監禁で三年もの長期に渡り心を苛まれていたので、その恐怖による支配でもう抵抗することなど出来ないほど、心は蝕まれていました。


恋人のふりさえしていれば、怖い思いはしないで済むので、ほんとうの自分というものを常に圧し殺していますが、消費者金融襲撃の日には、結婚準備に上京し、式の予約までしていたというのですから、恐怖ゆえに別人格を作るというところまで、追い込まれていたんですね。


そんな状態では、たしかに朗らかに心の底から笑えるはずもありません。


十津川警部は、PTSDで壊れてしまいそうな彼女に、拉致監禁以前の楽しい想い出を思い出してほしいとフルートの演奏を優子に促します。


優子さんにとってそれは、10年ぶりのフルートでしたが、指は覚えていたんですね。凄くいいシーンでした。そして、このくだりがありましたので、ラストの優子さんからの手紙にかぶせてくる映像→陽光溢れる水辺で、フルートを楽しそうに吹く映像が、素晴らしいものになっていました。


*PTSD

心的外傷後ストレス障害(しんてきがいしょうごストレスしょうがい、Post Traumatic Stress Disorder、PTSD)は、命の安全が脅かされるような出来事(戦争、天災、事故、犯罪、精神的及び肉体的虐待など)により、ひどい精神的ダメージを受けることに起因する著しい苦痛や、生活機能の障害をもたらすストレス障害。



意外な人物が犯人でしたが、さすがにご老体ですので、単独犯はないだろうということで、三人にしたのではないでしょうか。


それに、あまりにも馬鹿げている、ありえないと思われることのないように、内田さんは、もう余命幾ばくもないという設定であり、他のおふたりも独り者で、家庭を持たないという設定でした。


ただやはり、あのご老体三人で死刑執行する映像は、ちょっとキビシイかもですね。


まあ、義憤によるものというわけなのですが、たしかに内田さんにしてみれば、拉致監禁事件における裁判で裁判長として論告求刑し、地獄から救ってあげられたと思っていたのに、またぞろ優子さんにつきまとう橋野を見て、驚愕してしまうのですが、義憤に燃えるご老人たちは、なにか必殺仕置人のようですね。


しかし。裏の殺しの稼業というのも、裏ですから表にはほとんど知られていないだけで、実際にあるのではないかと思います。


あの消費者金融の強盗殺人の一味が、優子さんを拉致監禁していたやつらであることを突き止めた内田さんは、仲間を集め、ひとりひとり処刑を行なっていったということですね。


しかし、なんでまた主犯であろう橋野から処刑していかなかったのでしょうか、最後のお楽しみにとっておいたとか?


今度こそは、塀の外へ出てこられないであろうという橋野なんですが、最後まで生き延びてしまった橋野こそ殺し甲斐があったのではないでしょうかw



暴力による痛みの恐怖により人を支配する拉致監禁は、 殺人に匹敵、もしくは殺人以上に人を苦しめます。つまり、殺害されてしまったなら、とりあえずその時点で終わりますが、拉致監禁は、解放されるまでは生地獄が永遠につづくからです。


そして、またそのトラウマにより、その後の人生も心の病いと戦っていかなければならない。


そんなことを考え併せると、3ヶ月以上7年以下の懲役は、軽い刑罰すぎることは誰がみても明白だと思います。


ですので、西村京太郎さんも、そのことを憂いて、作品のテーマにしたのだと思いました。


下世話な話ですが、捜査一課ですか?

なんかもっとごちゃごちゃと人がいて雑然とした様子ではないんですかね?

活気が感じられませんでしたw


渡瀬恒彦さんと、伊東四朗さんで製作費の半分はもってかれてるんだろうなあと、端役の方たちをみてそう思いましたが、渡瀬恒彦さん、いつ見てもお若いですね。


また、馬鹿な勘違いなのですが、新井優子さん役の方が、某アイドルに激似で、本人なのかなとずっと思ってました。


最後になりましたが...

内田さんのヅラが気になりました(震え声)


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山村美紗 赤い霊柩車23 聰明な殺意 感想 [2Hドラマ]


山村美紗 赤い霊柩車23 聰明な殺意



たしか三年後に麻子と京都で再会し、交際がはじまったと井上は言っていましたが、いやはやわからないものですね、虫も殺さないような顔をしていて、みちこさん、ですか? 奥さんを裏切りつづけていたんですね。


あの登山でのエピソードでも、真正直な優しい、それでいて信念を持った好男子といった風に受け取りましたが、

やはり独り住まいだと気が緩むのでしょうか。


まあ、京都妻が出来たから、よろしく頼むというわけにもいかないのでしょうね。昔の豪商などは、何人ものお妾さんをかこっていたらしいですが。


第一印象では、この井上が怪しいと睨んでいたのですが、真犯人ではありませんでした。


ただしかし、すべてはこの男の浮気が原因なのは明白です。意外に彼はモテるのですねw



トリックなんですが、これはやはりミステリの華ですので、どうしてもなくてはならない、欠かせないものなのはわかるのですが、私たちの日常で起こる事件、事件そのものは、日常ではなく非日常なんですが、それには、華麗なトリックはほぼないように思います。


いわゆる詐欺ですか、あれは確かにはなから人を騙さなければならないのですから、そのために錯覚等を起こさせるために、さまざまな心理トリックを用いているようなのですが、みなさんご存知のオレオレ詐欺にしても、トリックですよね。


ただしかし、殺人事件で犯行前からアリバイ作りのためのトリックは、そうそうないでしょうから、つまり、それを狙う人は、確かに存在するのでしょうが、もうそういう人は、一般の人ではなく、完璧なプロの犯罪者であるわけですので、、、


というか、ほんとうに誰かを亡き者にしたいなどと考えるならば、覚悟を決めるわけなのでしょうから、アリバイ作りなんてセコイまねは、しないようにも思えます。


人を殺したいなどと思うのは、尋常ではありませんから、もしもそういう心境になったならば、世間体やら一般常識などもう頭にはないと思われます。


ごく普通の殺人事件は(ごく普通に殺人事件が起きては困るのですが)衝動的にというのが、一般的なような気がしますが、むろん計画を練っての殺害というのも少なからずあるのでしょうね。

 


・今回のトリックで、氷を用いたトリックがありましたが、明子さんの質問に対して、みちこさんは、夜の12時に井上が防犯カメラの映像に映り込むはずなので、利明さんが嫌疑をかけられないように、犯行時間を遅延させズラすトリックを用いたと言いますが、恨みごとのひとつも言わず、そこまで井上の事を考えるみちこさんは、やはり自分の中に溜め込んでしまうタイプなんでしょうか。


それが、連続殺人の要因になってしまったようにも思えましたが、その殺意が井上自身には向かわないのは、やはり愛なのでしょうか?



2Hドラマですし、ひとつくらいの死体では、ぶっちゃけ、足りないのでしょうね。


いまどきのミステリファンは、目が肥えていますし、少なくとも二体くらいはほしいということもあるでしょうし、お話的にもややこしくしたいというのはあると思います。


ストーリーは、もちろんわかりやすくなくてはなりませんが、謎が深まるという点で、平面的でない重層構造やら錯綜やらで、ややこしくしたいという狙いは、作家さんにはあると思います。


それで今回も、麻子以外に珠理という女性も殺害されてしまうのですが、こちらは脅迫されてという殺害動機なのですが、リアルな犯罪でも脅迫されるというのは、多く見受けられるのかもしれませんが、ミステリとしては、安易な気がします。


もっと複雑な要因が絡み合って、というのがほしいですが、複数の殺人事件の中にひとつは、「脅迫」でというのが鉄板なのかもしれませんね。



今回は、実に意外な人物が真犯人だったわけなのですが、やはり浮気というものは結局はバレてしまうものなんでしょうねw


花好きのみちこさんが、鉢植えをまた大量に持ってきて部屋に飾ってあるのを見た井上は、また枯らしちゃうからいいといったのに、なんて言うくだりで、みちこさんが、毎日お水をあげるからいいの、そんな会話がありました。学校よりも利明さんの方が大切だから...


井上は、屈託のない笑顔でそれに応えるのですが、その後で明子さんが話す鋭い指摘となる作り話を聞いた井上の顔が、尋常ではない怖さでした。


やはり、真面目な人が何か悪だくみやら、後ろめたいことをすると、そのギャップでよほど悪人顔の人よりも怖さが倍増するように思います。


考えてみたら、今回はどちらも脅迫されて、というのが殺意を持った理由でした。いや、麻子の方は、聞こえよがしに子どもを孕んだことを話す麻子を許せなくなった事が、引鉄になっていました。


となると、みちこさんは、麻子のウソをまともに受けてしまい、麻子とおなかの赤ちゃんもこの世から葬り去りたいと考えたのでしょうか。


しかし、なぜまた麻子は、みちこさんが珠理(ジュリ)とかいう子を殺害したことを知っていたのでしょう。


敷き物のトリックですが、東京からわざわざ似たような絨毯を買って来たということなんですが、よく似たようなものがあったなと感心しました。


と、まあこんな感想を持ちました。


春彦さん、今回髪型を変えてきましたね。しかし、結局ふたりは結婚しないのでしょうか?


エンディングで、春彦さんは浮気のことに関して、たぶん? 痛くもない腹を探られてしまいますが、浮気が、くれぐれも本気にならないように、みなさんもお気を付けください。笑



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作家探偵 山村美紗2  秋の七草殺人事件 インプレッション [2Hドラマ]

京都紅葉寺殺人事件 ~七草の秘密~

山村美紗(浅野ゆう子)
西村京太郎(角野卓三)



京都
安念寺にて山村美紗ファンの集いが、催されたその当日、殺人事件は起こった。



あれよあれよと言う間に犯行は重ねられ、結局は三人が殺されてしまう。



犯行現場には、何やら意味ありげな犯行のメッセージとも取れる証拠がわざわざ残されており、第一の被害者である竹林で逆さ吊りされた尾花教授は、ナデシコを、第二の被害者である藤原さちこは、藤袴のフジを、さらに第三の被害者の葛城まさみは、女郎花をそれぞれ持たされていた。



しかし、この一連の繋がりがありそうな事件は、三連続殺人のみに焦点を当ていてもわからないものだった。



葛城まさみの死体は、全裸で発見されたが、事件の当日柚子の里である水尾の旅館に二名で予約を入れていたが、葛城まさみは、ひとりで先にやってきて、連れは後からくるからということだった。



だが、その連れが来た際には柚子風呂に入っているはずの葛城まさみはもう旅館のどこを探してもいなかった。



旅館の主人からの聴き取りにより、描き上げた似顔絵から、その日の葛城まさみの連れが誰であったが、判明する。



それは、業界最大手の医療メーカー和歌浦工業の和歌浦和彦であった。



殺された京都中央医大病院の尾花教授と藤原病院の藤原さちこは、愛人関係にあり、また葛城まさみは、和歌浦工業の社長と繋がりがあったということが判明した為、この事件になんらかの関係がありそうだと警部刈谷も気づく。



また、葛城まさみの亭主である葛城真一が、三年前琵琶湖で溺れて水死した事件があったが、その際に生命保険金の3000万円のほかに、5000万円も振り込まれていたことがわかる。





一方、山村美紗は独自の推論で、藤原病院から何か掴めないかと、わざわざ入院し、看護師の話から琵琶湖で溺れ搬送されてきた患者の件で、神野という医師が辞めさせられたという話を盗み聞く。



そして、そのことにより、いよいよ三連続殺人の点が、線となって繋がりを見せていく。



藤原病院を首になった神野と、同じく京都中央医大病院を首になった戸板の話から、おかしなことがわかってくる。



バイタルも安定し藤原病院での処置で

充分助かったはずなのに、院長である藤原さちこは、神野を制してなぜか京都中央医大病院に患者をお願いすると強引に決めてしまう。



そして、移送された京都中央医大病院の救命処置室には、本来いるべきはずの救命医たちが誰ひとりおらず、なぜか心臓外科の医師が勢揃いしていた。

戸板は、尾花教授の「もう時間の問題だ」後は心臓外科が引受けるという判断に引き下がらずをえなかった。



さらに、その後で脳死判定されるや、家族の同意を得て緊急にある手術が行われた。心臓移植手術だった。





葛城まさみと繋がりがあった和歌浦和彦は、三年前心臓疾患により京都中央医大病院に入院しており、心臓移植のドナー待ちをしていた。



そのタイミングで、葛城まさみの亭主である葛城真一が患者として搬送されて来たのだが、血液型も一致し組織型の適合もokということで、あとは家族の同意を取るだけで、移植が可能となると尾花教授は、和歌浦に伝える。



つまり、まだ生きていた葛城真一に、ステロイドを大量投入などして殺したのは、教授の尾花であり、それに手を貸した藤原さちこも同罪だろう。



そして、山村美紗は三年前の葛城真一の事故の際の通報で出動した消防署へと赴き、その時救急車に同乗していた女性が誰であったのかをつきとめる。



それにより、重要参考人が浮かび上がってくる。



葛城真一と琵琶湖にいたのは、琵琶奏者の奥平徳子だった。





葛城真一は、奥平徳子の琵琶のお師匠さんだったらしい。

そういえば、尾花と藤原さちこも確か師弟関係であったはずで、つまり、そこらじゅう不倫な関係ばかりであるが、愛人関係がなければ、ミステリも成立しないのだった。



それは、つまり殺人事件というものは、ほとんどがお金と男と女の愛憎によるからだ。



とにかく、和歌浦和彦は、金に飽かして心臓移植のドナーを見つけ出すよう再三に渡り尾花を収賄していたようだが、たまたま葛城真一がドナーとして浮上したのは、葛城まさみが真一が死ぬように仕向けたからだった。



奥平徳子との関係を知っていたから、殺したかったのだろうが、その殺意だけでも怖い。



だが、実は、たまたま真一が和歌浦のドナーとして適合したのではなく、和歌浦のドナーとして血液型等が適合することがわかったので、不仲でもあり、愛人もいることを知っているので、お金目的で、亭主を殺したのだとしたらさらに怖かっただろう。





奥平徳子の犯行動機は、たしかに頷けもするが、秋の七草を殺人のテーマに据えているところなど、素人とはとても考えにくいw



殺しのエキスパートにちがいない。

そこには美学を感じるw





最後の締めの犯行では、桔梗を和歌浦の手に握らせる予定のはずだが、バッグの中には桔梗と、いつものコーヒーをいれたステンレスボトルと紙コップが入っていたのだろうか?



最後に。

「時刻表さえあれば、推理の鬼なのに」というのは、笑えました。



ありがとうございました。


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日曜ミステリ トカゲの女3警視庁特殊犯罪バイク班 インプレッション [2Hドラマ]

トカゲの女シリーズをはじめて観ましたが、面白かったです。
あらすじを含めながら、感想をちょっと書いてみました。


出演者



井守響子…黒谷友香

多喜遼子…かたせ梨乃

津吹新太郎…永井大

矢島健太…渡部豪太

多喜純一…川村陽介



片桐七海…滝沢沙織

小杉 徹…金児憲史

内田さわ…西原亜希

日垣…浜田晃

井守英恵…大島蓉子

リポーター…山中秀樹



島岡吾郎…柴俊夫

内田建吾…螢雪次朗

三国赳夫…石丸謙二郎

郷田修平…大地康雄





冒頭のシーンは、ファミレスみたいなところで、JKを人質に取って売上げをかっさらい逃走する男が登場し、これが今回の事件かと思えば、そうではありませんでした。



しかし、非常に重要な映像が店の防犯カメラには残されており、最後の最後にどんでん返しの、意外な犯人が明かされることになります。



というわけで、冒頭のちょっとした籠城事件の犯人のおかげで、トカゲたちは、真相を突き止められる端緒を得たのであるから、「どいつもこいつもバカにしやがって!」とか叫びながら、JKを羽交い締めにし、フォークを突き付けて、金を出せとキレまくってた兄ちゃんは、見方をちょっと変えると功労者と言えなくもないですね。



あの事件が、なければ誰もファミレスの防犯カメラの録画映像など気にもとめなかったからです。



ただ、少しおかしいと思ったことは、犯人がJKを連れて外に出たそのタイミングで、ちょうど店前に乗用車が急停車するので、それが、まるで単独犯ではないかのように見えたのは確かです。



よく銀行強奪事件等では、現場で金を奪取してくるチームのほかに、必ず逃走用の車を運転するドライバーがいるのを見受けるので、そんな風にドライバーがもうひとりいて、店舗前に乗りつけたのかと思って見ていていました。



というのも、その乗用車の運転手を脅して、外に出させるくだり等の映像が一切ないからです。



その事件のあとで
デザイナーズ・ブランドであるリョーコ・タキの社長多喜遼子に非通知で不審な電話がかかってきます。

それは、以前にリョーコ・タキと下請け契約をしていた内田ドレスの内田建吾を誘拐したから身代金5億を用意しろという電話でした。

この時、常務である三国は何食わぬ顔で、どうしたんですか? とか聞くわけですが、フザケタ野郎ですよね?w

ここからいよいよ今回の事件が展開していくのですが、事件の根底に流れているのは、純一の、母遼子への不信感でした。




実は純一は、遼子の実の子ではなく、養子として迎え入れられ、多喜を名乗っていました。



純一は、児童保護施設に預けられていたのですが、いつ彼が本当の母親の名前を知ったのかは、本編では語られていないので、そこらへんは杳としてわからないのですが、そういった回想シーンも入れてもよかったですよね?



それで。

実の母の郁美は、遼子と一緒にブランドを立ち上げるという夢を共有していた親友であることを知ったらしいんですね。

こちらも本編では詳しく語られていないので、どの程度純一が郁美と遼子の間柄を知っていたのかは想像するほかありません。



そして、さらに。



母の遼子が有名になるきっかけとなったウェディングドレスのデザインは、実は遼子の作品ではなく、亡くなった純一の実の母郁美のデザインだったという事実を知った純一は、遼子に対して不信感を募らせていき、結果的に狂言である誘拐事件を計画するに至ります。



しかしながら、純一の不幸のはじまりは、愚かな錯誤にあったのですね。



真実は、遼子の口から語られます。



実のところ、受賞したウェディングドレスのデザイン画は、郁美自身が、遼子のサインをし、遼子の作品として応募したのでした。



純一は、郁美のサインのあるまったく同じデザイン画を発見して、遼子が郁美のデザインを盗作したと早合点してしまったわけですね。

このあたり、ふつうならば、これどういこと? と詰め寄るのが当たり前だと思うのですが、つまり、そのことがあったから、純一は遼子に対して不信を持ったのですから、その前は、ごく普通な母と子であったはずで、ならばごくふつうに、おかあさん、これどういうことやねんな? と訊きますよね?w


ただしかし、あまりにも衝撃が大きすぎて、遼子に問いただすことすらできなかったということなんでしょうか?

そうだとすると、純一もすごく苦しんだと思うのですが、回想の映像では、純一がそれを知ったのは、ごく最近みたいなように感じました。


リョーコ・タキの経営は、傾きかけているようでしたので、その点からも母の経営の手腕に不満があったから、純一は判断にバイアスをかけてしまい、盗作したんだと決めつけてしまったのでしょうか?


たしかに、聞き間違えとか、人間ですからいろいろ「行き違う」ことは往々にしてありますが。
その時の感情の状態や起伏によって、悪く捉えてしまったりと物事の印象や捉え方というのは、その時々によって変わってしまったりします。


遼子の母親としての愛は、感じられたのですが、どうも純一はちがうようでしたね。
ですので、あの人とか呼ぶようになってしまった時期がいつだったのかを、知りたかったりしました。




すべての不幸は、認識の齟齬、そこからはじまった。



純一は、実の母郁美が盗まれたものを取り返すべく、遼子に5億円を要求し、お世話になった児童保護施設と、下請け契約を打ち切ってしまった内田ドレスに、分配しようと考えていました。


そして。



純一は、元の下請け業者である内田ドレスの内田等数名を誘い、自作自演の誘拐事件を企てます。



だが、さらにもうひとりリョーコ・タキの常務である三国を仲間に誘い入れたことにより、計画は頓挫してしまいます。



三国というのは、とんだ食わせ物でした。
はなから5億円を独り占めしようと画策していたのですから。



→カスの中のカス確定w



こういったミステリ系のドラマですと、どうしたって死体のひとつふたつ、3つ4つ出てくるわけですが、ドラマ終わりに短くも笑える楽しいちょっとしたエピソードがインサートされるのは、やはりプロの仕事ですね。



陰惨な事件やらどろどろした人間関係を、浄化してくれる明るい小話は、実はとても重要なのだなとあらためて感心しました。





個人的なディテールでいうと

かたせ梨乃さんのおみ足が、綺麗であったこと!



あの細さを保つのは、容易な事ではないと思うのですが、さすがは女優さん、身体を張ってますねw



聞くところによると、マドンナと同じくらいのご年齢ですね、たしか。

ほんとうにすごいです。



あとは、郷田巡査部長。

大地康雄さんですが、燻し銀の演技ですね。



褒めすぎかもしれませんが、大地康雄さんがいないと成立しないようにもぼくには思えました。



やはり、若い人には出せない味ですね。どっしりとしています。



以上

トカゲの女3 警視庁特殊犯罪バイク班

たいへん、美味しゅうございました。

追記


ブランド草創期に、大変にお世話になった、というか、内田建吾という人物がいなければ、そもそもリョーコ・タキは存在しなかったかもしれないというほどの恩義ある内田ドレス。


リョーコ・タキと内田ドレスは長年ビジネスパートナーとして、共に歩んできたわけですが、アジアの縫製工場に任せれば外注費が10分の1で済んでしまう為、遼子は内田ドレスを切ることを決断します。


それは、たしかにより良いものをなるべくリーズナブルな価格でユーザーに届ける事が経営者として、第一義なことであるわけで、経営者判断としては的確であるとは思います。


ただ、世の中には、お金持ちの人もいくらでもいるわけで、そういう人たちは、価格など気にしないわけですね。


そういう人たちは、クオリティやオリジナリティを求めているわけで、いいものであると判断したならば、価格は度外視して買う。


リョーコ・タキが価格帯を下げ、ユーザーのすそ野を広げて、若い購買者の販促へと販売戦略を移行させていく、そういう狙いがあっての、内田ドレスとの契約満了というならば、話がちょっとおかしい事になってしまいます。


つまり、そうであるならば、今現在リョーコ・タキは、アジアのどこかの国の小さな縫製工場に外注してるわけです。


しかし、純一が平和銀行の融資係だかにプレゼンしていたのは、海外で縫製させて、リョーコ・タキのドレスを20,000円の価格帯で出す、というものでした。


その場にやって来た遼子は、安売りなんてとんでもない! みたいな感じで純一を一喝してしまいます。


そのあたりが、お話として齟齬が生じているようにも思えます。


遼子は、内田ドレスを切って、いったいどこに縫製を発注しているのか?


あるいは、純一は、さらに安い激安な外注先を新たに見つけ出したということなのでしょうか? 


謎は深まるばかりなのです。笑



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山村美沙サスペンスシリーズ 赤い霊柩車26 黒い同窓会 インプレッション [2Hドラマ]


ひさびさに2Hドラマを観ましたので、疑問に思った事など書き出してみました。



・どうみても役者さんの実年齢がイコール役の年齢であると思いますから、フィアンセとか気取った言い方には、少し抵抗を覚えた。

・アラサーくらいまでならば、フィアンセという表現も素敵に響くが、50代では、せいぜい婚約者というのが妥当なところではないか?


・神田正輝さん演ずるところの春彦は、京都に土地勘がないというが、既に明子と一緒に仮住まいらしき家で生活しているのだから、京都にやってきた経緯があるはずであり、そこらへんの情報が割愛されていてわからない。

・冒頭からいきなり、同窓会のような展開となるが、実は春彦は、片平なぎささん演ずるところの明子との挙式の下見/見学にやってきたわけであり、むろん、それは予約を取ってあったわけだが、なぜまた春彦は高校の同級生が結婚式場をやっていることを知り、そして、そこで挙式するつもりになって予約を入れたのか、その経緯がまったく語られてはいない。


・アリバイ崩しのシーンで、死の間際にこんな凝りに凝ったダイイングメッセージを、百人一首で残すことなど出来るはずもないので、殺意がある事をほのめかし、疑惑をわざわざ自分に向けさせていたのではないかと与那忠志に明子は詰め寄るが、この明子の推理が超人的すぎる!


・しかし、実際問題、なぜまたダイイングメッセージをわざわざ用意したのか?
 ミステリファン?w






◇◇トリック◇◇





→ 久美子は、与那忠志と共謀し、醍醐にあるライオネル・マンションに引っ越したと偽り、実は嵯峨野のライオネル・マンションに連れていき、京都に土地勘のない春彦をマンマとアリバイ工作に利用した。



◇ダイイングメッセージは百人一首◇





玉の緒よ

たえなばたえね

ながらえば

しのぶることの

よわりやもぞする



式子内親王(89番)だそうです。




・殺された亜矢の部屋には、季節の異なる杜若の軸が掛けてあり、その違和感に気づいた明子は、そこから杜若「か き つ は た」の折句の秘密のことを思い出す。


折句というのは、あるセンテンスの中に、その文章とはまた異なる言葉を織り込み、わかる人にだけわかる秘密のメッセージ。
句頭、文頭を利用したものが多い。



ここでは、

「た た な し よ」が織り込まれている。



つまり、それはウェディングプランナーの多田梨世(濱田万葉)を指しているかに見える。



しかし、さらに一捻りして、 アナグラムを用いてのダイイングメッセージということがわかる。



つまり。



「よ な た た し」



6人の仲間のひとりである与那忠志を指していることがわかる。



だが、さらにこれもまたフェイクであって、久美子(高橋ひとみ)の計画を知った与那忠志(大友康平)が、疑いを自分に向けさせるために行った陽動作戦だった。



その与那忠志のくだりは
本編では一切描かれてはいないが、殺意がある事を匂わすような脅迫電話を池田亜矢(山下容莉枝)に対してしたのではないかと、明子は推理する。



与那忠志は、殺人幇助として罪に問われるのだろうが、久美子の計画を止めようと思い、一旦は説得しようとしたが、むりだとわかったから、それならば殺人を手伝おうという事になったと、述べている。笑



さらには、春彦には、久美子の苦しみはわからないだろうと、与那はいう。



これは、
人知れず久美子は、苦しんでいたのだから、明子が復讐として亜矢を殺しても当然だという風にとれる。



◇◆◇事故◇◆◇





実は、事の発端は高校の時の不慮の事故にある。


仲良し六人組の内のもうひとりの仲間である、俊介は、卒業旅行の際に崖から落ちて亡くなっていた。



その際に亜矢が胡蝶蘭のお守りを持っていてほしいと、俊介に手渡すのだが、俊介は、受け取らないと亜矢の申し出をつっぱねる。


久美子が見つからずに、みんなで山を探しているときに事故は起こる。
問題は、なぜそのタイミングで、胡蝶蘭のイヤリングのお守りを俊介に手渡そうと亜矢はしたのか?


計画的な犯罪であったことがわかる。
俊介が、どうしても受け取らなければ、掌の中に包み込むように持たせた時点で、崖から突き落とす計画だったとしか考えられない。


つまり、久美子は俊介を殺した亜矢に復讐したという事件だった。
そのすべては、亜矢の嫉妬から生まれたのであり、自業自得だと思われても仕方ないのではないか。

ただしかし、久美子はもうひとりのウェディングプランナーも毒殺してしまった。
そちらは、どう考えても情状酌量の余地はないのではないかと思います。
まあ、脅迫されたという理由はありましたが。


相変わらず快刀乱麻のごとくの片平なぎささんの推理に、舌を巻きました。

京都の撮影、よかったですね。
嵐山のシーン、最高でした。

また、神田正輝さんのナチュラルな
笑顔が素晴らしかったことは、特筆すべきことではないかと思いました。







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