自治会長 糸井緋芽子 社宅の事件簿4 ネタバレ感想 [2Hドラマ]
自治会長 糸井緋芽子 社宅の事件簿4
出演
泉ピン子(糸井緋芽子)
高田純次 (糸井章太郎)
佐野泰臣 (糸井誠)
大久保綾乃 (糸井里佳子)
大和田伸也 (人事部長 大谷)
見栄晴(岸辺)
山口いづみ (大谷の妻 厚子)
岩本千春 (岸辺の妻 美和子)
飯田基祐、三田篤子、剛たつひと
ほか
ふざけてない高田純次さん、よかったですね。だいぶお若いなと思っていましたが、製作が2004年ということでした。
しかし、どうなんでしょう、母親を階段から平気で突き落とすようなまねのできる子が、あの母親の愁嘆場でまるで悔悟したかのように膝をついて、泣き崩れる母親の手を取るなんてことがあるでしょうか。あのくらいで悔悟するなら、非行になど走ってはいないでしょう。他人に向けて刃物を構える少年は、まあたしかにナイフとかがカッコいいというのもあるかもしれませんが、とにかくいろいろ終わっている少年でした。高3といっていましたから、18でしょうか。
人に対して刃物を突きつけるという行為は、もう尋常ではありません。殴りつけるならまだしも、ナイフをチラつかせ、それもあろうことか隣人の母親を刺そうとするなどと、まともな少年とは思えません。
自治会長代理の緋芽子をわざわざ外に連れ出して、まるでいわゆるタイマンの喧嘩のようなつもりでいるのか、とにかくもううちの家庭に首を突っ込むなという脅しをかけたのでしょうが、まあ、母親が人を殺しても平気な人のようですから、どっちもどっちで非行に走らない方がおかしいくらいなものですね。
躾け云々では、まったくないんですけどね。もうはなから、「躾ける」みたいな考え方自体、おかしいことだと気づいていない親は、ダメですね。
イヌネコではないんです。なんて書くと犬や猫に怒られてしまうかもしれないのですが、子は親を見て育つわけなのですが、実は見えないところこそ、大切なわけです。
不倫やら収賄やらパワハラやら、そういった表沙汰にならないように陰で隠れてやっていることは、すべて子どもに反映されてきます。それを知らないから、ただ表面だけは、その自分の薄汚れた心とは真逆に、子どもたちに対しては厳しく律していくわけなのでしょう。
いうなれば、馬鹿の一言なのですが、これがわからないんでしょうね。見られなければ大丈夫、バレなきゃなにやっても平気、そういうのが根底にあるんですから、それが子どもに反映するのは、当たり前の話です。
余計な話になってしまいましたが、つまり、あの子どもたちは、親そっくりでした。
それこそパンチパーマwにするとか、いまどきリーゼントもないでしょうが、あるいはモヒカンにするとか、誰が見ても「族」だかチーマーだかに見えるワルには、まったく見えない。
あの妹の方も、あれでは完璧にレディースでしたね、病室で母親を見舞いに来たのではなく、金をせびってましたが、緋芽子が入っていくと本当に善良そうな可愛い子にガラリと態度も言葉も変えてしまう。あの豹変ぶりは、凄まじいものがありました。
体裁だけを取り繕うというところは、両親とまったく同じでした。
父親の大谷もまったく腐ったような人間でしたが、自分のいいなりに出来るからという理由から、章太郎を大抜擢したようですが、章太郎が少し芯があるところを見せようものならば、即座に、部下の面前で章太郎を愚弄する言葉を平気で吐き、課長としての立場を失墜させることなど平気の平左で、自分のパワハラに酔う底なしの馬鹿でした。
ですが、そのお陰で、章太郎は課長から部長へと出世できたのですから、よかったですね。大抜擢してくれた大谷に感謝してもいいかもしれません。笑
大谷の妻は、恐喝されていた紺野を階段から突き落として殺し、次いで岸辺の妻も階段から突き落としますが、一命を取り留めてしまったため、病室に忍び込んでまでして、ふたたび殺害しようとするなど、その業の深さが窺い知れます。とんでもないババアということですねw
しかし、いわゆるミステリものですが、なにやら他のミステリものとは一線を画するような気もしました。
それは、探偵さんやら、刑事さん、検事さん、家裁の調査官みたいなプロの方が活躍しなくても、物語は成り立つという証しですし、そしてそのためには
実力派の俳優さんが必要になってくるんだなと思いました。
緋芽子が、タイムセールのミルクを狙って買い物にいくシーンで、大谷の妻厚子を中心とする社宅の奥様連中と、ばったり出くわした際、大谷の妻に最低な嫌がらせを言われますが、緋芽子は、下を俯いてしまうのでもなく、また逆ギレしてしまうのでもなく、明るくギャグを言うように跳ね返してしまうのは、実にお見事であり、素晴らしいなと思って見ていました。
そんなわけで、泉ピン子さんの演技に、驚いた次第です。このシリーズは、やはりピン子さんなしではとても考えられない、そんな名演技でしたし、真面目な高田純次さんも、とてもよかったです。
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