テレ東 ドラマスペシャル「あまんじゃく」感想 [2Hドラマ]
あまんじゃくを観ましたので、感想を書いてみました。
いや、おもしろかったです。
裏の仕置人なんですが、それが医療関係専門の殺し屋というところが、新鮮でした。
カテーテルを用いたり、薬品を用いたりさすがに元外科医ならではの、殺しのテクニックが満載でした。
また、依頼人との待ち合わせ場所がまたユニークでおもしろいですね。なんかいつも雨が強く降っていて、橋爪功さんのエージェント横倉もいい味出していました。
場所を変えて居酒屋でのシーンもよかったですね。一滴もアルコールを飲まないで、トマトジュースだけを飲むというのは、ある種エキセントリックで殺し屋らしいかもしれません。
臓器売買の世界的組織のリーダーが、日本人の中にもいたという震撼する事実は、怖いですね。
伊藤蘭さん演ずるところの、児童施設の園長さん花井環は、両手に拳銃を持って保持したまま長広舌しなければならず、腕が結構つらかっただろうなどとドラマとは関係ないところに気がいってしまいましたが、つまりは、伊藤蘭さんには悪役があまり似合わないというところに話は落ちついてしまうのかもしれません。
この上もなく平和的で、人道的な人物が、手のひらを返すように拳銃を撃ちまくるというのは、まさかこの人がという意外性があって、そのギャップが面白いのでしょうが、幼い頃生き残っていくために悲惨な日々を送っていたことにより、貧乏人は、ヒトではないという思想にいきついてしまったということが語られます。
考えてみると、悪役の方というのは、やはり重要な存在なんですね。
悪役を演る人というのは、結構決まっていたりしますが、すごく温厚そうな人が、悪役は似合わないかと言うとそんなこともないようで、逆に不気味な存在感を放つ場合もありますから、一概ににはなんとも言えないですね。
子どもたちが臓器売買のためのドナーとして、飼われているみたいな小説を以前、読んだ事がありましたが、気持ちが悪くて半分も読まない内に投げ出してしまったことを思い出しました。
クローンというやり方では、人道的に絶対許されることはないので、臓器だけを作る方向へと向かっているのではないでしょうか。
まさかのアクションシーンがあり、びっくりしましたが、あの拳銃の音がいまひとつしょぼくれてて、残念でした。
映画とかでやたらドンパチ撃ちまくりますが、ドンドンドンと重たい音であり、あまんじゃくのは、パンパンパンでしたねw
あんなに軽い音ではないのではと素人考えするのですが、いったいどっちが本当の発砲音なのでしょうか。
ちょっと調べてみたら、厳密にいうとどれも実際のいわゆる「銃声」ではないらしいですね。
発砲する際に衝撃波が出るので、それを録音再生できないということらしいです。
ですので、生の音は自分で撃ってみるしか手はなさそうです。あとは自衛隊の演習とかに行くとかでしょうか。
花井環が、海外に逃亡する際でしょうか、トマトジュースが好きな男が、花井の後ろを通る際に何かをやって、彼女は即死してしまったようなのですが、それがどんなテクニックを用いたものなのかが、素早すぎてわかりませんでした。脳に何かダメージを与えたようなのですが、折壁の技を見たかったです。
地下でのアクションシーンが始まる際に、悪党たちも全員がオペの執刀時のように両手を胸の前に掲げるジェスチャーをするのですが、それが不気味で笑えました。
配管やらタンクやらダクト等が剥き出しの地下でのアクションシーンは、映画等でよく見かけるのですが、惜しいかな今ひとつ迫力に欠けるのは否めないところなのかなというのは、ありました。
僕は未だに「白い巨塔」を繰り返し観ている人間ですので、唐沢寿明さんには外科医のイメージが、バッチリ当てはまります。
原作に忠実に再現されたということなのかもしれないのですが、外科的な殺しのシーンとさらには体当たりの格闘シーンまであるという盛りだくさんなのですが、原作でもやはり、60歳前後、老人手前のギリギリ初老の男性が主人公なのでしょうか。
たしかに殺しを生業にする50代の方も少なからずいらっしゃるのでしょうが、身体を張った格闘系の殺しか、一撃必殺的はスマートな殺しの、いずれかを専門とするのではないのかなと愚考するところではあります。
まあ、端的に言えば武闘派なのか、頭脳派なのかと言うことですよね。ですので、このキャスティングは、外科医としての、唐沢寿明さんのイメージに寄りかかった配役なのかなと思いました。
現実問題として、殺したいヤツがいるという人は、いくらでもいるでしょうし、つまりは殺人依頼の需要がなくなることはない稼げるジャンルといえますね。
確実に法に抵触しますが、個人単価が非常に高いので、決してなくなることはない職業といえるのかもしれませんが、実際に求人が出しづらいジャンルですね。笑
原作があるということですし、これからも展開していくような感じで終わっていましたが、どうなんでしょう。
本作にも、何件かの殺しの依頼があり、それらのエピソードが多層的に構成されてありましたので、ワンクールツークールと幾らでも出来るのではないでしょうか。
そして、シリーズ化するならば、なんといっても、唐沢寿明さんの理詰めのクールな殺人が、「売り」だと思いますので、そちらを推し進めていただきたいと思います。
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