山村美紗 赤い霊柩車21 灰色の容疑者 ネタバレ感想 [2Hドラマ]
山村美紗 赤い霊柩車21 灰色の容疑者
なんか今回は、パッとしないお話でした。「251312425281」というダイイングメッセージがあったくらいで、地味な内容でした。
ただ、ちょっと冷静に考えてみると、わざわざ12桁の数字を打つよりも、平仮名で打った方が早かったのではないのかと思ったのですが、明子さんと春彦さんのいうように、ポケベル打ちだと2タッチ入力ということで、仮名打ちよりも早いということがわかりました。
25→こ
13→う
12→い
42→ち
52→に
81→や
ポケベルを持ったことがないので、まったくわかりませんでしたが、この女性は、灰皿で殴られて一度気を失ったのちに、また起き上がるかしてケータイを見つけ、何十年前だかのポケベル打ちの要領で、数字を打ち込んでから息途絶えという、鈍器で殴られての即死ではなかったということのようですから、もしかしたなら、こういちさんという浮気性の医者が殺害したのではないのかもしれません。
つまり、彼が確かに灰皿で後頭部あたりを殴り、女社長は昏倒してしまったのですが、まだその時は死んではいなかったのは確かなようです。
彼女は、ダイイングメッセージをそれから打ったからですが、となるともしかしたら、こういちさんの一撃は、致命的ではなかったのかもしれず、その後に第三者がやってきて、再度後頭部あたりを同じ鈍器で殴ってから、あらかじめ調べておいたポケベル打ちの数字を表示させたケータイを握らせたというのは、どうでしょう?
この場合、こういちさんは確かに灰皿で殴っていますから、自分が殺したと思い込んでいますが、彼が部屋から出てから、誰かが忍び込んで殺したという可能性もあります。
また、ポケベル打ちですが、明子さんと春彦さんがやったように紙に書き出してみないと数字の意味がわからないのではと思いますので、ポケベル打ち用の数字の組み合わせを死ぬ間際に朦朧とした頭で思い出して必死に打ち込んだ、その粘り強さは見習いたいですね。
真犯人もそれほど想定外の人物ではありませんでしたが、ただ えりさんの母親という人が男を作って家から出てしまい、その後父親が亡くなってから遺産目当てに、男と共にまた家に帰ってきた、というように世間からは見られていたようですが、事実はだいぶ異なり、母親は病的に嫉妬深い夫から家から追い出されたということでした。
しかし、そういった構図はわかりましたが、実際問題、いくらおまえ、出ていけ! と言われたとしても、子どものことが心配でしょうし、10年も会わずにいるなどということは普通の親子の間ではありえないと思います。
もし、ほんとうに10年も会わずにいるというのは、どちらかが完璧に嫌っていて/嫌われていて、意思の疎通がまったくないとしか思えません。
浮気性の医者との結婚話しが持ち上がったときには、興信所に医者の素行調査を依頼して、その調査結果をえりに
知らせに来たというのに、えりはけんもほろろで、調査書を読むどころか、畳に叩きつけて終わりでした。
たしかに自分がこの人と思い選んだ人物を疑うような事を言われたならば、ムカつくでしょうが、それ以前になぜまた10年も会わずにいたのか? たとえ普通の家庭のように毎日顔を合わせることはなくても、親と子の心は離れることはないと思います。
えりさんとの何か特別な感情のもつれやら、対立があったのならば10年という月日もわからないではないのですが、父親が、頑として母親には二度と家の敷居を跨がせないというのが、そもそもの原因でしょうから、会う気がありさえすれば、家の外ではいくらでもえりさんと会う機会はあったでしょうし、子としても、病的に嫉妬深い父親によって家から叩き出されてしまった母を不憫に思うのは当然ですし、また母親も普通ならば、定期的に娘に会う機会を設けるのが当たり前だと思います。
となると、やはり普通の母娘の関係ではなかったのではないのかと勘ぐってしまいますが、とにかく母親が大切な娘に会わずにいられたというのが不思議でなりません。一年ならまだしも十年も会わずにいられるというのは尋常ではありませんね。
しかし、どこの家庭にもその家庭にしかわからないといった特別なしきたりやら、ルールといったものがあるみたいですし、常識では考えられないような事もあるのかもしれません。
あの回想シーンでは、父親という人物は、妻がただの配達人である若い男に愛想よくしたというだけで、殴る蹴るの大立ち回りを演じる完璧な外基地でした。
あれがほんとうならば、確かに家にはいられるはずもありませんから、第三者に介入してもらう他ありません。
しかし、第三者に相談することもしないで、昔の幼馴染であるホストクラブ経営の男のところに身を寄せていたのでしょうか。
なにかわけのわからないことばかりで、殺人よりも、よほどあの家庭の事情の方が、ミステリだと思います。
まあ、えりさんという人は、母親にベッタリな娘ではなく、父親が大好きだったということでしょうか。
タラレバの話をしても仕方ないのですが、母親の忠告を受容していたならば、今回の事件もなかったわけですから、母親も娘も実に不幸ですね。
しかし、なぜまたえりさんは、旦那の浮気相手を家の中に招き入れ、さらには二階にまで上がらせていたのは、またなぜなんでしょうか。
あの人材派遣会社の女社長は、一億もの負債を抱えていたということでしたが、えりさん宅を訪ねてあんたは愛されていないんだから、早く別れろよと直談判に来たということのようでしたが、こちらの女性も相当イカレテますね。
TV番組のミステリということから、面白さをぎゅっと凝縮しなければならず、連続殺人鬼やら奇行の輩のオンパレードですが、しかし、まさにそれが現代社会を映し出す合せ鏡なのかもしれませんね。
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