山村美沙サスペンスシリーズ 赤い霊柩車26 黒い同窓会 インプレッション [2Hドラマ]
ひさびさに2Hドラマを観ましたので、疑問に思った事など書き出してみました。
・どうみても役者さんの実年齢がイコール役の年齢であると思いますから、フィアンセとか気取った言い方には、少し抵抗を覚えた。
・アラサーくらいまでならば、フィアンセという表現も素敵に響くが、50代では、せいぜい婚約者というのが妥当なところではないか?
・神田正輝さん演ずるところの春彦は、京都に土地勘がないというが、既に明子と一緒に仮住まいらしき家で生活しているのだから、京都にやってきた経緯があるはずであり、そこらへんの情報が割愛されていてわからない。
・冒頭からいきなり、同窓会のような展開となるが、実は春彦は、片平なぎささん演ずるところの明子との挙式の下見/見学にやってきたわけであり、むろん、それは予約を取ってあったわけだが、なぜまた春彦は高校の同級生が結婚式場をやっていることを知り、そして、そこで挙式するつもりになって予約を入れたのか、その経緯がまったく語られてはいない。
・アリバイ崩しのシーンで、死の間際にこんな凝りに凝ったダイイングメッセージを、百人一首で残すことなど出来るはずもないので、殺意がある事をほのめかし、疑惑をわざわざ自分に向けさせていたのではないかと与那忠志に明子は詰め寄るが、この明子の推理が超人的すぎる!
・しかし、実際問題、なぜまたダイイングメッセージをわざわざ用意したのか?
ミステリファン?w
◇◇トリック◇◇
→ 久美子は、与那忠志と共謀し、醍醐にあるライオネル・マンションに引っ越したと偽り、実は嵯峨野のライオネル・マンションに連れていき、京都に土地勘のない春彦をマンマとアリバイ工作に利用した。
◇ダイイングメッセージは百人一首◇
玉の緒よ
たえなばたえね
ながらえば
しのぶることの
よわりやもぞする
式子内親王(89番)だそうです。
・殺された亜矢の部屋には、季節の異なる杜若の軸が掛けてあり、その違和感に気づいた明子は、そこから杜若「か き つ は た」の折句の秘密のことを思い出す。
折句というのは、あるセンテンスの中に、その文章とはまた異なる言葉を織り込み、わかる人にだけわかる秘密のメッセージ。
句頭、文頭を利用したものが多い。
ここでは、
「た た な し よ」が織り込まれている。
つまり、それはウェディングプランナーの多田梨世(濱田万葉)を指しているかに見える。
しかし、さらに一捻りして、 アナグラムを用いてのダイイングメッセージということがわかる。
つまり。
「よ な た た し」
6人の仲間のひとりである与那忠志を指していることがわかる。
だが、さらにこれもまたフェイクであって、久美子(高橋ひとみ)の計画を知った与那忠志(大友康平)が、疑いを自分に向けさせるために行った陽動作戦だった。
その与那忠志のくだりは
本編では一切描かれてはいないが、殺意がある事を匂わすような脅迫電話を池田亜矢(山下容莉枝)に対してしたのではないかと、明子は推理する。
与那忠志は、殺人幇助として罪に問われるのだろうが、久美子の計画を止めようと思い、一旦は説得しようとしたが、むりだとわかったから、それならば殺人を手伝おうという事になったと、述べている。笑
さらには、春彦には、久美子の苦しみはわからないだろうと、与那はいう。
これは、
人知れず久美子は、苦しんでいたのだから、明子が復讐として亜矢を殺しても当然だという風にとれる。
◇◆◇事故◇◆◇
実は、事の発端は高校の時の不慮の事故にある。
仲良し六人組の内のもうひとりの仲間である、俊介は、卒業旅行の際に崖から落ちて亡くなっていた。
その際に亜矢が胡蝶蘭のお守りを持っていてほしいと、俊介に手渡すのだが、俊介は、受け取らないと亜矢の申し出をつっぱねる。
久美子が見つからずに、みんなで山を探しているときに事故は起こる。
問題は、なぜそのタイミングで、胡蝶蘭のイヤリングのお守りを俊介に手渡そうと亜矢はしたのか?
計画的な犯罪であったことがわかる。
俊介が、どうしても受け取らなければ、掌の中に包み込むように持たせた時点で、崖から突き落とす計画だったとしか考えられない。
つまり、久美子は俊介を殺した亜矢に復讐したという事件だった。
そのすべては、亜矢の嫉妬から生まれたのであり、自業自得だと思われても仕方ないのではないか。
ただしかし、久美子はもうひとりのウェディングプランナーも毒殺してしまった。
そちらは、どう考えても情状酌量の余地はないのではないかと思います。
まあ、脅迫されたという理由はありましたが。
相変わらず快刀乱麻のごとくの片平なぎささんの推理に、舌を巻きました。
京都の撮影、よかったですね。
嵐山のシーン、最高でした。
また、神田正輝さんのナチュラルな
笑顔が素晴らしかったことは、特筆すべきことではないかと思いました。
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